養父市おおや堆肥センター 堆肥の高温発酵による「野菜の衛生管理指針」の順守について

更新日:2021年09月08日

野菜の衛生管理指針に係る堆肥製造について

農林水産省では、生鮮野菜を衛生的に保ち、微生物による食中毒の発生を防ぐため、「栽培から出荷までの野菜の衛生管理指針 (第2版) 令和3年7月30日改定」を作成し、堆肥の生産段階での衛生管理を推進しています。

 

野菜の衛生管理の観点から、堆肥製造に係る衛生管理指針について(抜粋)

1.堆肥の製造では、最適な発酵条件を整えること。

  • 副資材(もみがら・おがくず等)の利用により、原料料の水分調整をすること。
  • 定期的な切返し等により、全体に空気を入れること。

2.堆肥製造時には、堆積物の内部温度を測定し、「55℃以上」が「3日間以上」続いていることを確認すること。

  • 堆積中は中心部は高温になりますが、表層や底面ではあまり温度が上がらないため、定期的に切返しを行い全量を攪拌すること。
  • (説明1) 食中毒を起こす菌の死滅のため、55℃以上の温度を保つ必要がある。
  • (説明2) 雑草種子の死滅のため、60℃以上の温度を保つ必要がある。

3.野菜等に施用する堆肥は、十分に発酵が進んだ堆肥であることを確認すること。

  • 堆肥の色が褐色~黒褐色になっていること。
  • 臭いがほぼなくなっていること。
  • 手触りがサラサラであること。
     

野菜生産者における、堆肥の施用に係る衛生管理指針について(注意点)

4.堆肥を購入する場合は、特に上記3(堆肥の腐熟度等)を確認すること。

  • 堆肥を購入する際は、上記の堆肥製造に関する管理基準を守って作られたものであるか、堆肥は腐熟しているか等を確認すること。

5.上記1~3を確認できない堆肥を使う場合の、堆肥の施用時期等について 

  • 土壌から離れた野菜は、収穫の2か月以前に堆肥を施用すること。
  • 土壌に近い葉物野菜は、収穫の4か月以前に堆肥を施用すること。
  • 「乾燥鶏ふん」を使う場合も、「製造時に55℃以上3日間以上続いている」ことを確認できないものは、上記の施用期間を確保すること。
     

「おおや有機」 高温発酵による野菜の衛生管理指針の順守について

養父市おおや堆肥センターでは、堆肥製造において高温発酵を促し「野菜の衛生管理指針」の順守を行っています。

  1. 堆肥発酵槽では、常時、散気プロアで空気を入れ堆肥の発酵、乾燥を促しています。
    ※ 好気性微生物(酸素を好む微生物群)による発酵を行っています。
     
  2. 堆肥発酵の初期での発酵温度が最大80~85℃に達しています。
    また、発酵槽内の多くの測定地点で55~80℃の高温発酵が確認されています。
     
  3. 「野菜の衛生管理指針」の順守に必要な55℃以上の発酵温度帯は10日間以上確保されています。
    ※棒状の堆肥用温度計により堆積物の温度を直接測定しています。
    ※堆肥の攪拌作業時に、高温発酵に伴う湯気の発生が目視確認できます。
     
  4. 100mの堆肥発酵槽内を、原則1日1回の堆肥全量の鋤返しを行い、前方へ4m/回の移動を行い約1か月間(25回の攪拌作業)で堆肥発酵が完了します。
    (堆肥発酵槽は長さ100m、幅3m、深さ2mで、2レーンを設置している。)
     
  5. 出口付近では、ほぼ外気温近くまで低下し、堆肥の腐熟が確認できます。
     
  6. 完成した堆肥は、黒褐色で、臭いもなく、手に触れてもべとつきが少ない状態となっています。
     
  7. おおや堆肥センターでは、施設内でバラ堆肥を秤販売しています。
    ご購入の際に堆肥の腐熟度を直接ご確認後、購入することができます。

 

「おおや有機の特色」好熱菌による高温発酵について

  1. 養父市おおや堆肥センターでの堆肥発酵槽内では、内部温度は最大で80~85℃になっています。
     
  2. 本施設内の堆肥発酵槽内で70℃以上の環境下で生育する微生物(菌)は「好熱菌、超好熱菌」と呼ばれ、施設稼働時(平成15年)より現在に至るまで、散気ブロア稼働及び鋤返し作業を継続的に行うことにより、継続された堆肥の微生物発酵が行われています。
     
  3. 100mの堆肥発酵槽内では、様々な発酵温度帯が存在しており、各相において最適な微生物発酵が行われています。
    一般的に発酵微生物は、発酵生育温度帯により、次の分類等に分けられています。
    • 超高温微生物(80℃以上) ※「超好熱菌」と呼ばれています。
    • 高温微生物(70~80℃) ※「好熱菌」と呼ばれています。
    • 高温微生物(55~60℃) ※一般的な食中毒菌類は60℃以上で死滅します。
    • 中温微生物(30~37℃)
    • 常温微生物(12~18℃)

    (注) 文献により様々な分類や表記があります。
     

病原菌や雑草種子の不活化について (資料編)

食中毒を起こす病原菌等の死滅温度・時間について
種類 温度 死滅時間
ブドウ球菌 50℃ 10分
大腸菌 55℃ 60分
60℃ 15~20分
回虫(卵) 60℃ 15~20分
クリプトスポリジウム 60℃ 30分
常温・乾燥 1~4日間

 

牛ふん堆肥埋設の雑草種子の発芽率について
種類 50℃未満
埋設時の発芽率
60℃、2日間
埋設時の発芽率
メヒシバ 96% 0%
ノビエ 72% 0%
カヤツリグサ 56% 0%
オオイヌタデ 8% 0%
イヌビエ 68% 0%
  • 堆肥化施設設計マニュアル(中央畜産会編)より
     

お問い合わせ先

〒667-0306

兵庫県養父市大屋町宮垣480番地

養父市おおや堆肥センター

電話/ファックス   079-669-1812

 

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この記事に関するお問い合わせ先

農林振興課
〒667-0198
養父市広谷250-1
電話番号:079-664-0284
ファックス番号:079-664-2528

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