中瀬鉱山見学情報

更新日:2020年10月22日

1.中瀬鉱山の歴史

中瀬鉱山は、明延鉱山、生野鉱山と共に「但馬三山」と呼ばれた優れた鉱山です。安土・桃山時代から江戸時代前期には近畿地方最大級の金山として栄え、豊臣秀吉や徳川家康の直轄地となりました。慶長5年(1600)、関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康は、間宮直元を生野奉行に任命し中瀬金山の開発を命じました。中瀬に金山役所を整備して金山役人を常駐させ、中瀬金両替座を設置して本格的に金山開発に取り組みました。寛永10年(1633)から17年(1640)には多量の金を採掘し、江戸幕府の金山として最も繁栄しました。
明治5年(1872)、明治政府が経営する官営鉱山となりました。この時、生野鉱山に工部省鉱山寮生野支庁が置かれており、中瀬鉱山、明延鉱山、神子畑鉱山も一体的に生野支庁が経営することになりました。主に金・銀・銅の鉱石を採掘しました。明治29年三菱合資金社の経営に移りました。そして、昭和10年に現在の日本精鉱株式会社の経営となり、国内でも良質の金とアンチモンの鉱脈が発見され、中瀬鉱山が全国に知られるようになりました。日本一多くのアンチモンを産出し、優秀な製錬技術を開発しました。昭和44年(1969)に採掘部門は廃止となりましたが、現在も日本を代表するアンチモンの製錬工場として操業しています。

中瀬鉱山遠景

中瀬鉱山遠景(北東から)

中瀬鉱山遠景

中瀬鉱山遠景(北から)

2.日本遺産の中瀬鉱山

平成29年、日本遺産「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道」に認定をされました。国に認定をうけたストーリーは、『兵庫県中央部の播但地域。そこに姫路・飾磨港から生野鉱山へと南北一直線に貫く道があります、“銀の馬車の道”です。さらに明延鉱山、中瀬鉱山へと”鉱石の道”が続きます。わが国屈指の鉱山群をめざす全長73キロメートルのこの道は、明治の面影を残す宿場町を経て鉱山町へ、さらに歩を進めると各鉱山の静謐とした坑道にたどり着きます』と説明されています。飾磨港から始まって中瀬鉱山に至るまでのエリアが日本遺産になり、その中にある「中瀬鉱山関連遺構・中瀬鉱山町」として認定されています。

3.中瀬金山関所(交流施設)

中瀬集落には、平成26年に中瀬鉱山について学び交流する施設として「中瀬金山関所」が開館しました。中瀬鉱山の写真、道具、鉱石、解説パネルなどを展示し、交流施設として利用されています。中瀬区の住民による中瀬金山会が運営しています。
敷地内にはトロッコ広場があります。昭和44年(1969)まで使われていた鉱山車両を展示しています。中瀬鉱山の白岩坑で使われていたバッテリーロコ(蓄電池機関車)は、日本輸送機株式会社が製造したものです。また、ズリ石の運搬に使ったナベトロとよばれるトロッコを展示しています。

中瀬金山関所

交流施設の中瀬金山関所

金山関所横に展示されているトロッコ

トロッコ広場の鉱山車両

4.石間歩坑口(中瀬鉱山のシンボル)

天正元年(1573)、八木川の大日淵で砂金が発見されたことが契機となり、中瀬鉱山で最初に金鉱脈が発見された場所といわれています。石間歩坑口は、昭和44年まで採掘のために作業員が坑道に入る中心となる通洞坑として利用されました。このため石間歩の坑口が中瀬鉱山のシンボルになっています。
坑口は、コンクリートでコの字形に補強がされ、その上部の中央には鉱山の神様である「山神さん」を祀った四角形の枠の痕跡があります。入り口の左側には、石間歩坑口とかいた木製の看板が付いています。坑口前の広場には中瀬鉱山を解説する看板が立てられています。

昭和前半の中瀬鉱山

昭和前半の中瀬鉱山

石間歩坑口

通洞抗であった石間歩坑口

5.施設見学とガイドの問い合わせ

中瀬鉱山の石間歩坑口は企業の敷地になっています。このため見学には許可が必要です。また、中瀬金山役所は中瀬金山会が管理運営し、中瀬金山会では中瀬金山ガイドを行っています。1週間前までに予約が必要で、ガイド料金は10人程度につき2000円です。施設見学やガイドには事前申込が必要です。

問合せ・申込み

関宮地域局
667-1105 兵庫県養父市関宮637
電話 079-667-2331 ファックス 079-667-3213

6.関係資料について

中瀬金山や中瀬鉱山に関する資料です。

まちの文化財

中瀬鉱山と鉱山町に関するパンフレット

近代化産業遺産 中瀬鉱山と町並み パンフレット(PDFファイル:2.5MB)
日本遺産 中瀬鉱山 パンフレット(PDFファイル:1.1MB)

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この記事に関するお問い合わせ先

歴史文化財課
〒667-1105
養父市関宮613-6
電話番号:079-661-9042
ファックス番号:079-667-2277

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