まちの文化財(210)高照寺の聖観音菩薩立像

更新日:2022年07月22日

本堂に安置される聖観音菩薩立像

本堂に安置される聖観音菩薩立像

観音堂の厨子に納められた聖観音菩薩立像

観音堂に納められた聖観音菩薩立像

高柳の高照寺は真言宗の寺院で、国道に隣接する小高い丘にあります。春のモクレン、初秋の白萩が美しい花の寺として知られています。

本堂と観音堂にそれぞれ各1体、平安時代後期から末期に制作された聖観音菩薩立像が安置されています。

観音堂の聖観音菩薩立像は一木造りで、高さは76.5センチメートルあります。身体は左腰をわずかにひねって立ち、肩から下がる2本の天衣(てんね)が足の前まで垂れさがります。11世紀末から12世紀頃に制作された仏像です。

本堂の聖観音菩薩立像は、観音堂のものよりやや新しい一木造りの仏像です。右腕は肩からまっすぐ指先までおりて平安時代の特徴を示し、手の平を前にむけた与願印を表しています。

いずれも天衣などの表現には少し固さがあります。仏像は左手に蓮華をもっています。この蓮華は浄土の理想を表す持物です。

高照寺にある2体の仏像と共通した特徴をもつ仏像が豊岡市鎌田の文常寺にあります。それぞれ平安時代後期から末期の制作であり、現在は国指定と県指定の文化財になっています。特徴の共通した4体の仏像に注目しています。

高照寺にある2体の仏像は兄弟のように類似した特徴を備えています。特に、平安時代に制作された本尊級の仏像が2体も祀られていることは重要です。豊岡市文常寺の仏像とあわせて但馬地方における平安時代の仏教を考える上で貴重な仏像です。

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