まちの文化財(207)尾崎神社の馬場そろえ
境内の広い尾崎神社
尾崎神社の立地
拝殿にある中井正胤の彫刻
昭和18年馬とびの記念誌写真
山崎や尾崎という地名の場所は、山の尾根が平地に向かって飛び出している地形によって地名が付いたと言われています。
集落の北側にある山の中腹に尾崎神社があります。昭和3年に八幡神社に三柱神社を合祀し、その時に尾崎神社と改称しました。現在も江戸時代前期に作られた本殿があり、祭神として誉田別尊(ほむたわけのみこと、応神天皇)をお祭りしています。このため「尾崎の八幡さん」とも呼ばれています。
八幡神社は武家が信仰する武神でもあります。第2次世界大戦中の関宮村では、召集令状を受け取った出征兵士は、尾崎神社に武運長久と戦勝祈願のために参拝しました。現在も奉納絵馬などが掲げられています。
尾崎神社の境内地には、本殿に並行して幅10メートル、長さ100メートルの細長い馬場があります。昭和18年の秋祭りで、この場所で「馬とび」が行われました。青年2人が1頭の馬の口取りを担当し、両側で手綱をもって、馬と一緒に直線コースを12回も走る行事です。最後の開催となったこの年には9人の青年が参加しました。
尾崎の八幡神社は、昔、八木城主の祈願所であったという伝承もあります。八木城主の八木豊信は、尾崎の八幡宮に社領20石と鳥居1基、そして神馬2頭を寄付し、祭礼には神楽や流鏑馬(やぶさめ)を行ったと伝えられています。そして、この流鏑馬が馬とびの起源のように伝わっています。
尾崎神社では、現在も10月の秋祭り前の掃除を「馬場そろえ」と呼んでいます。村の約60戸が総出で行う境内の掃除には、「馬とび」のために馬場を整えるという意味があるのでしょう。市内には多くの八幡神社がありますが、八木城主の祈願所という伝承に注目しています。
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更新日:2022年07月22日