まちの文化財(204)長福寺と聖徳太子
畑にある長福寺
香炉をもつ聖徳太子の石像
弘法大師と地蔵菩薩の石像
池の中島にある石像
畑区に大倉山長福寺があります。昔は標高691メートルの大倉部山の中腹に建立されたといいます。その跡地は「寺が平」と呼ばれており、観音菩薩を本尊とする聖徳太子が開山した寺院だという伝承があります。豊臣秀吉による但馬侵攻によって寺領を失い、麓にある畑、岡、藤和の3地区に分散しておりたと伝えられています。
長福寺の本堂の前には多くの石像があります。山門を入ると築山の上に弘法大師像、アビラウンケンを刻んだ真言碑、子安地蔵像が並びます。また池の中島には不動明王像、観世音菩薩像、毘沙門天像が並びます。いずれも大正15年に完成したもののようです。
ほかに養蚕守護を祈願する蚕石塔もあります。大正から昭和時代の畑区は、市内でも養蚕で繁栄した地域の一つであることから、多くの石像が寄進されたのでしょう。
境内地に聖徳太子の石像があります。16歳の聖徳太子が香炉をもって父の用明天皇を見舞う姿を表したもので、聖徳太子孝養像といいます。聖徳太子は推古天皇を支えて冠位十二階や憲法十七条を制定し、仏教を国の政治理念として重んじ、西暦622年、49歳で亡くなりました。
大正10年は聖徳太子の1300年遠忌でした。これを機会として長福寺ゆかりの人物として聖徳太子像が建てられたのでしょう。
大倉部山の寺院には、聖徳太子が開山したという伝承があります。観音菩薩と密接に結びついて聖徳太子を尊ぶ太子信仰が全国に広がりました。令和3年は聖徳太子の1400年遠忌です。長福寺にある聖徳太子の石像に注目しています。
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更新日:2022年01月14日