まちの文化財(200)やぶ市民交流広場の屋根瓦

更新日:2021年09月21日

美しい屋根のやぶ市民交流広場

美しい屋根のやぶ市民交流広場

島根県の石州瓦で再現された養父瓦

島根県の石州瓦で再現された養父瓦

令和3年6月、八鹿地区の八木川に隣接した場所にやぶ市民交流広場(YBファブ)が建設されています。八鹿駅の方向を正面とする大きな建物です。

屋根瓦は、この建物のために特別に島根県で開発された石州瓦で、その数は約6万枚になります。この瓦は、立誠舎や市内の住宅に残る明治時代から大正時代に生産された八鹿瓦の色調、焼成温度、釉薬の配合を調査し、特別にイメージ再現した瓦です。

明治5年(1872)に八鹿村の植木清兵衛氏が島根県から石州瓦の職人を招いて瓦生産を始めました。これが八鹿瓦です。明治30年代までに小河愛助氏など13人の職人が島根県からやって来ました。八鹿瓦のルーツは石州瓦です。昭和4年(1929)まで、瓦や水甕、擂鉢、火鉢などの生活に必要な陶器を生産し、八鹿焼は地場産業となりました。

今も残っている旧グンゼ株式会社八鹿工場の正門にある守衛所の屋根瓦はすべて八鹿瓦で葺かれています。立誠舎の屋根瓦も八鹿瓦です。

今回の工事では、島根県浜田市の島根県産業技術センターで古い八鹿瓦の色調や成分を分析し、大田市の石州瓦生産工場で色調や釉薬の質感の再現試験を繰り返しました。釉薬の塗り方、色の調合、焼成温度などを検討し、専門的な現代工法によって、八鹿瓦の再現に挑戦したものです。

八鹿瓦の技術的なふるさとでもある石州瓦の最新の生産技術で、八鹿瓦が再現されました。屋根は落ち着いたシックな色合いで、晴れ、曇り、雨の日の天候によって大きく表情が変化します。メーカーではこの新商品を養父瓦と呼んでいます。養父市に新しい景観が誕生していました。

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