まちの文化財(195)大谷の曹源寺
3枚の襖絵
岩に羽根を休める孔雀
羽根を広げた孔雀
三楽荘主松雲の文字
曹源寺は八木に曹源院として創建され、江戸時代前期に大谷に移転したと伝わっています。八木氏の系図をみると、八木重頼の法名が曹源院殿宗材となっていることから、曹源院は八木城主の菩提寺の一つだと考えられています。
曹源寺の本堂は嘉永5年(1852)の新築で、大工の棟梁は豊岡小田井町の中井幸左エ門、相棟梁は大谷村の谷垣善次郎、細工一式は中井廣忠となっています。本堂の梁にある龍や獅子の彫刻は中井廣忠の作品であり、中井一族が中心となって建築しました。
本堂には躍動感のある襖絵があります。昭和11年に松雲という絵師が描いた襖絵です。本堂の左側には3枚の襖で、松の木の前にある岩に羽根を休める孔雀を描いています。孔雀はやや小さく、松の上部は襖から飛び出し、枝が上から下がっています。墨で描いた水墨画です。
本堂の右側には3枚の襖を使って、岩から大きく羽根を広げて飛び立つ孔雀が描かれています。頭は小さく首をまげて下を向き、両翼をV字形に広げます。そして水玉模様の尾羽根を大きく広げています。
曹源寺の襖絵は、静と動、陰と陽の特色をもつ一組の孔雀を描いた日本画です。絵師の松雲は曹源寺に宿泊して襖絵を描きました。
翌年の昭和12年には、中瀬の金昌寺で松の間を飛ぶ鷹と木にとまる鷹を描いた一対の襖絵を制作しています。松雲は昭和時代前期の人物ですが、経歴はよく分かっていません。曹源寺の襖絵によって松雲の業績が初めて注目されています。
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更新日:2021年03月29日