まちの文化財(194)古墳時代の鏡と短甲

更新日:2021年03月29日

だ龍鏡

だ龍鏡

方格T字鏡

方格T字鏡

古墳群の発掘調査

古墳群の発掘調査(右端が1号墳)

11号墳の短甲

11号墳の短甲

古墳時代を代表する副葬品に青銅製の鏡と鉄製の短甲(たんこう)があります。短甲は身体を防御する鉄の短い「よろい」です。古墳時代の「よろい」は「鎧」ではなく「甲」の漢字を書きます。

市立全天候運動場から八鹿町九鹿を結ぶ道路を建設するため、平成14年に、小佐川に面した山林の中にある古墳を発掘調査しました。ここの古墳から鏡と短甲が出土しました。

沖田1号墳は、標高127メートルの尾根上に立地する古墳です。石棺の上から直径17.4センチメートルの鏡が出土しました。4世紀中頃に製作された「だ龍鏡」という鏡で、市内では最も古くて最大の鏡になりました。碧玉(へきぎょく)で作られた石釧(いしくしろ)1点が同時に出土しました。

その北側の一段下にある沖田11号墳では、石棺の中から5世紀初頭に製作された直径15センチメートルの「方格T字鏡」が出土しました。当時の鏡は顔をみる道具ではなく、畿内政権の大王から賜与されたもので、権力を示す宝器だと言われています。

さらに11号墳の石棺上には短甲が解体された状態で置かれていました。長方形の鉄板に穴をあけて皮の紐で綴じた「よろい」です。横矧板革綴(よこはぎいたかわとじ)短甲と呼ぶ形式で、5世紀後半に日本で製作されたものです。

短甲は、但馬地域では豊岡市日高町の小山1号墳、朝来市和田山町の茶すり山古墳で発見されています。古墳時代の鉄は朝鮮半島から輸入された貴重品です。貴重な鉄を多量に使った短甲は、鉄製品の中でも最大のものです。

山の上に造られた古墳からは八鹿から九鹿にかけての町並みがよく見えます。今から約1500年以上も昔の古墳時代、八鹿から九鹿の付近で、短甲を身に着けて大刀や弓矢を持った豪族が活躍していた証拠です。

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