まちの文化財(191)大久保のホードー杉
西側からみたホードー杉
西側からみた北幹と南幹
東側からみた幹
ブナやチシマザサの中で生育
ハチ高原から氷ノ山方向に向かって約80分尾根筋を歩くと、大平頭(おおなるがしら)の東斜面、標高1100メートル付近にホードー杉があります。
ホードー杉は樹高18メートル、幹周り11.6メートル、幹の中心部は腐って空洞になっていますが、地面から2メートル付近で、東と北と南の3本に幹が分かれています。杉は細く高く伸びるものですが、この杉は根元から株立ちした珍しい樹形になっています。
一般的に株立ちした杉は、主幹が折れてそこから複数の枝が新しく発生して幹に成長し、特殊な形になったものです。
しかしホードー杉は、アシウスギのように杉の枝が地面に付いて根を張って新しい杉に成長し、その杉が親の杉と癒着して、1本の株立ちした姿になった可能性があります。東と北の幹は大きく曲がっていますが、南の幹は地面から一直線に伸びています。
平成16年7月25日、東の幹に落雷がありました。火災が発生し、消火のために消防署が出動しました。この落雷によって大きな枝1本が折れて落下し、結果的に谷側にある東の幹全体が枯れています。幹には焼けた跡が他に2か所あり、何度も落雷を受けて成長しています。
落雷から15年以上が経過した現在、山側にあたる西側から見ると葉が茂って緑が豊かですが、東側から見ると杉の樹皮がなくなり白く枯れて、少しずつ変化を続けています。
周囲はブナの林ですが巨木林ではありません。杉も見られますが細い木が少しある程度です。地面にはチシマザサが茂っています。豪雪地帯という厳しい自然環境の中で生育しています。
平成3年「大久保の大杉」、別名「ホードー杉」として兵庫県の天然記念物に指定されました。ホードーとは「特別に大きい」という意味です。冬には豪雪地帯となるブナ林の中で杉の巨木が堂々とした姿で立っています。兵庫県を代表する杉の巨木です。
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更新日:2020年10月30日