まちの文化財(190)氷ノ山の天然スギ

更新日:2020年10月30日

氷ノ山山頂からみた古千本杉

氷ノ山山頂からみた古千本杉

古生沼の近くにある古千本杉

古生沼の近くにある古千本杉

木道を作っている千本杉

木道を作っている千本杉

枝が地面に届く千本杉

枝が地面に届く千本杉

標高1,510メートルの氷ノ山の山頂付近には、高さ2.2メートルほどのチシマザサが一面に広がっています。樹木は、冬の強風と積雪によってチシマザサよりも高く伸びることができず埋没しています。こうした植物の生育環境をチシマザサの切頭群落(せっとうぐんらく)と呼んでいます。氷ノ山らしい特徴的な植物の分布形態です。

この付近に天然スギの群生地があります。氷ノ山山頂から100メートルほど東に下った標高1,460メートルの古生沼付近に、古千本杉という群生地があります。さらに東側にチシマザサの群落を抜けて300メートルほど下ると、標高1,380メートル付近に千本杉というスギの群生地があります。神戸大学の山小屋の上側です。

氷ノ山山頂から東に続く尾根上の場所で、北西の季節風を正面にうける場所です。尾根上に立地していますが、水が湧き出てコケが生える湿地となり、天然スギが群生しています。氷ノ山への登山道にあたることから植物を守るための木道が設置されています。尾根上の場所には本来は水がないため、地下水が湧き上がってくると推測されています。

古千本杉のスギは直径15センチから40センチ、高さは6メートルから15メートル程度です。地面から4メートルまでは枝が下方向に曲がり、そこから上は枝が水平方向に伸びています。冬は4メートルほど雪に埋まり、それより上部は樹氷となります。このため雪の重みで枝が垂れ下がって成長します。

日本海側の氷ノ山にある天然スギは、枝が地面まで垂れ下がり、地面に接したところで新しい根が発生し、新しい杉が生まれます。伏条更新(ふくじょうこうしん)という成長方法で、こうした特徴を備えたスギをアシウスギと呼んでいます。

氷ノ山では冬の厳しい気候によって巨木には成長できません。広葉樹林帯やブナ帯と呼ばれる植生環境に生育しています。チシマザサの群落に囲まれた天然スギは氷ノ山付近に生育し、氷ノ山杉とも呼ばれています。

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