まちの文化財(189)須賀神社と飾磨彫刻

更新日:2020年10月30日

神社の拝殿

神社の拝殿

拝殿にある龍の彫刻

拝殿にある龍の彫刻

拝殿にある獅子の彫刻

拝殿にある獅子の彫刻

本殿の左脇障子にある虎の彫刻

本殿の脇障子にある虎の彫刻

稲津の集落を入った山裾に須賀神社があります。本殿と拝殿に獅子、獏(ばく)、龍、虎などの彫刻が刻まれています。本殿は昭和37年の建築であり、拝殿の彫刻もこの時に制作されています。

拝殿の玄関に相当する場所が向拝です。この柱の正面に獅子の彫刻があり、側面には人の悪夢を食うといわれる獏の彫刻があります。獏は象のような長い鼻を持ち、脚は虎、目は犀に似ているという中国の想像上の動物です。

向拝の上部には大きな龍の彫刻があります。龍は池の底に住み、雷雲と共に天に昇ります。彫刻では、龍の胴体の下から噴水状に水が立ち上ることから、池から天に龍が昇る姿が彫られています。その一方で、左上部に後ろ足を描き、付近に稲妻や雲を表現し、天を飛ぶ龍の姿も表現しています。龍の動きを絵解きという手法で説明しています。

龍の彫刻の裏側には、「シカマ長谷川義秀之作」という文字が刻まれています。長谷川義秀は飾磨彫刻の彫刻師です。飾磨彫刻は、明治時代初期から昭和にかけて姫路市飾磨区で活躍した人々の彫刻です。昭和前半、二代目松本義廣の弟子にあたる堤義法、長谷川義秀、三代目松本義廣、井上好郎が活躍しました。

三代目松本義廣の龍は、和田の栲幡原(かごはら)神社拝殿、上山の坂益神社拝殿、長野の斎神社本殿、下網場の安楽寺、筏の長谷寺にあります。昭和の名工と言われた彫刻師です。

須賀神社の本殿は昭和37年の建築で、脇障子という部材に長谷川義秀による竹林の虎の彫刻があります。大屋市場の日枝神社拝殿にも長谷川義秀による龍の彫刻があります。市内では長谷川義秀の彫刻は2件だけです。市内各地で、名工たちが作った龍の彫刻が静かに見守っています。

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