まちの文化財(185)畑の乙屋神社

更新日:2020年05月20日

乙屋神社の拝殿

乙屋神社の拝殿

拝殿にある中井正胤の彫刻

拝殿にある中井正胤の彫刻

尻尾を上げた出雲型の狛犬

尻尾を上げた出雲型の狛犬

前足を曲げた出雲型の狛犬

前足を曲げた出雲型の狛犬

畑地区の乙屋(おとや)神社には、拝殿の前に一対の石の狛犬があります。参道の両側に一対を置くことからこれを参道狛犬と呼んでいます。

参道狛犬は、市内では明治40年頃から昭和10年頃に多く建てられました。市内の狛犬のほとんどが関西型とよばれる形で、狛犬の耳は下を向き、前足は短く立ち上がり、後ろ足は折り曲げて地面に尻を据えた「そんきょ」の姿勢をとっています。

しかし、乙屋神社の狛犬は前足を折り曲げて頭を下げ、後ろ足を伸ばして尻を大きくあげ、尻尾を高く伸ばしています。関西地域では珍しい、島根県出雲地方に多い狛犬です。製作年代は明治時代から大正時代と推定しています。

標準的な「そんきょ型」に対して出雲の「かまえ型」と呼ばれています。札幌市の北海道神宮頓宮には明治23年、新潟市金比羅神社には明治42年の出雲型の狛犬があります。日本海を北前船で運ばれたといわれています。豊岡市の小田井縣神社や絹巻神社にもあります。

出雲型の特徴は、板石の上に狛犬を彫り出し、鼻は大きな獅子鼻で耳が長く下がり、身体の表面に水玉状の膨らみを多く配置し、尻尾を「く」字形に折り曲げていることです。こうした特徴から乙屋神社の狛犬は出雲地方で作られたと推定しています。

乙屋神社には、丹波市柏原町の中井権次という一族の彫刻があります。彫刻師の銘はありませんが、拝殿は明治後半に活躍した中井正胤(まさたね)の彫刻だと思われます。

乙屋神社にある出雲の「かまえ型」狛犬や中井権次の彫刻から、養蚕業で栄えた畑地区の豊かさが伝わってきます。

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