まちの文化財(94) 加保坂のヒスイ原石

更新日:2019年11月18日

道路の横にあるヒスイの原石

道路の横にあるヒスイの原石

大屋ヒスイの原石

大屋ヒスイの原石

 

大屋の加保から関宮に続く道路の横に、ヒスイ原石が露出しています。この岩の一部にヒスイを含むことから、岩を保護して、見学ができるようにしています。

昭和52年3月、道路工事で土を削ったところ蛇紋岩が出土しました。分析の結果、この岩石の中にヒスイが存在しました。これが大屋のヒスイ原石の発見です。 この原石は、蛇紋岩の中にヒスイ輝石と曹長岩(そうちょうがん)を伴うかたまりとして存在し、その周囲を角閃石(かくせんせき)類や苦土蛭石(くどけいがん)が取り囲んでいます。

大屋のヒスイは、特に地層と一体的になった岩石として存在することが重要です。つまりヒスイが生まれた時代の地層とセットで存在することから、ヒスイの自然産状を示す日本唯一の事例といわれています。このため昭和58年3月、「加保坂の硬玉(ヒスイ)原石露頭」として、兵庫県指定文化財になりました。 今から約4億年前、地表から数十キロメートル内部にある地殻の岩脈(三郡変成帯)で、マンガンから供給されたカンラン岩の岩漿(がんすい)が分離し、それが結晶化してヒスイが産まれました。専門的な説明で意味が理解しにくいですが、地層とヒスイ原石が共存することで、こうした解釈が可能になっています。

ヒスイ原石の出土地は日本国内に8か所ほどありますが、現在もヒスイが現地で見学できる場所は、新潟県糸魚川市と養父市大屋町など、わずかです。

ヒスイ原石の風化を防止し、さらに盗難防止と見学者の学習のために、幅4メートル、高さ2メートルの範囲をコンクリートと鉄柵で保護しています。 原石の大きさは、幅1.9メートル、高さ1メートル、奥行0.7メートルです。表面は風化して黄褐色ですが、内部は灰白色です。しかし人間によって、正面と左側が大きく破損し、他にも掻き取り痕跡があります。ヒスイを盗むために人間が破損したものです。大変痛々しくなっています。

大屋のヒスイには、宝石的な価値はありません。しかし岩石学や地球物理学にとっては極めて重要な資料です。県指定文化財の破壊は大変悪質な犯罪です。ヒスイの盗難防止に努めています。

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