まちの文化財(43) 山路寺の障壁画

更新日:2019年11月15日

 

岩礁の上で激流にむかって吠える虎

         岩礁の上で激流にむかって吠える虎

精緻な孔雀の図

                   精緻な孔雀の図

 

市役所大屋庁舎の南側の小高い山の上に山路寺があります。ここには鳥取藩の絵師として活躍した片山楊谷が描いた絵画が兵庫県指定文化財として保存されています。絵画は襖28面、小襖2面、二曲屏風1隻、軸物3幅の合計34点です。

片山楊谷は円山応挙とも交わりをもって写実的な絵画を描きました。山路寺の襖絵は寛政12年(1800)年5月に制作されました。片山楊谷は享和元年(1801)8月に42歳で亡くなりました。このため山路寺の襖絵は、楊谷の最後の大作となります。

本堂には、描かれた襖絵によって松の間、虎の間、孔雀の間とよんでいる三部屋があります。 松の間は老松図襖があります。北側4面に樹幹を描き、西側4面に一本の枝を書いています。松の太い幹と一本の枝を描くだけで、力のこもった太い墨の線によって迫力にみちた松の巨木を表現しています。

虎の間には、渓流猛虎図襖があります。3方向にある襖16面に、岩をぬって流れる渓谷に遊ぶ虎の群れが描かれています。背を丸めて雄雄しく吠える虎、岩にうずくまる虎、岩から岩へと跳びはねる虎、様々な虎が精細な筆致で表現されています。虎の表情は写実的で躍動感にあふれ、渓谷の流れは激流から清流へと変わり、動から静へと連続する物語を作っています。

孔雀の間は、牡丹孔雀図襖、牡丹孔雀図屏風、竹林七賢図小襖があります。孔雀と岩と牡丹を、墨の濃淡と鋭い筆跡で巧みに表現しています。孔雀は小さな眼孔でするどく見つめ、羽根の一枚一枚もシャープに描いています。牡丹もリアルで精緻に表現されています。

これらの絵画は鳥取県でも中々みられない大作で、片山楊谷の画業を語る上で大変重要な作品です。立派な襖絵が並んだ山路寺は、片山楊谷の美術館と呼ぶべき高い文化財的価値があります。襖紙は、長崎で流行していた竹紙(ちくし)という竹の繊維を編み込んだ特殊な紙が使われています。

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