まちの文化財(40) 高柳ナベ遺跡の発掘調査

更新日:2019年11月18日

県下最大の円形の竪穴住居跡

        県下最大の円形の竪穴住居跡

六角形の住居跡の中に 小形の方形住居が発見された

                    六角形の住居跡の中に

                小形の方形住居が発見された

 

  北近畿豊岡自動車道の八鹿インター建設工事に伴う発掘調査を、兵庫県立考古博物館が行っています。但馬農業高校の南側にある平地で、高柳と米里の間に広がる水田地帯です。平成19年12月8日に現地説明会が行われ、70名が参加しました。

発掘された遺跡は、縄文時代早期にあたる約8千年前に人間が土をほった穴が一カ所、古墳時代にあたる3世紀から6世紀に竪穴住居跡が8棟、奈良時代に作られた掘立柱建物跡が12棟、さらに古墳時代から平安時代にかけて土器を作るために粘土を掘った年土採掘坑などが発見されました。発掘調査面積は、約6,500平方メートルもあり、市内でも最大規模の調査となりました。

ナベ遺跡の竪穴住居跡では、平面形が円形・多角形(六角形)・方形の3種類が発見されました。円形は古墳時代前期にあたる4世紀に造られたもので、直径は10.3メートルもあります。中央に円形の穴を掘り、その周囲に4本の柱を立て、さらに外側を6本の柱を置いて屋根を支えます。また方形は平面が275センチメートル×300センチメートルの規模で、5世紀後半に造られました。東側の壁の中央に竈を作り、焚き口は石で支えて住居跡の外側に煙ぬきの穴を掘っています。

兵庫県立考古博物館の池田征弘調査員は「今回見つかった円形住居跡の規模は、古墳時代では大きなもので、県下で最大級になります。古墳時代前期になると畿内地域では円形から方形の竪穴住居に変わりますが、但馬では山陰地域との交流によって、円形の住居が造り続けられました。ナベ遺跡では方形の住居跡の出現は遅れています」と解説しました。

ナベ遺跡の正面にある但馬農業高等学校の付近には、県指定文化財の国木とが山古墳群があります。ナベ遺跡から米里・朝倉付近の台地には古代集落が広がっていますが、この付近で生活した人々が国木とが山古墳群を作ったと考えられます。

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