疏水に建つ北垣知事の銅像
琵琶湖疏水と疏水記念館(正面)
傾斜鉄道のインクライン(2組の線路)
南禅寺にある煉瓦造りの水路閣
第3代京都府知事に就任した北垣国道(きたがきくにみち)は、京都発展のために琵琶湖疏水を建設しました。令和7年5月16日、国の文化審議会は「琵琶湖疏水施設」の名称で琵琶湖疏水と関連施設24か所を、国宝(5か所)と重要文化財(24か所、国宝5か所を含む)に指定すると発表しました。近代の土木構造物としては初めての国宝です。重要文化財の指定には関係文書328点が含まれています。そして8月27日、官報告示によって指定が決定しました。
琵琶湖疏水は、水道、水力発電、舟運等の役割があり「明治日本における都市基盤施設の金字塔である」と評価されました。水力発電した電力は日本初の路面電車である市電の運行を実現しました。現在も京都の人々が生活に使う生きた国宝です。
北垣国道(天保7年から大正5年)は養父市能座に生まれ、青谿書院で池田草庵に約20年も学びました。明治14年(1881)45歳で京都府知事に就任し、琵琶湖の水を大津市から京都市に流す琵琶湖疏水を立案、建設しました。京都府予算2年分の巨大プロジェクトを推進し、11年間も京都府知事を務めました。そして明治25年第4代北海道庁長官に移りました。
土木測量は八鹿下町出身の島田道生(しまだどうせい・嘉永2年から大正14年)が担当しました。明治5年開拓使仮学校(後の札幌農学校)で測量を学び、北垣国道のもとで疏水事務所測量部長となり、工事部長の田辺朔朗(たなべさくろう)を支えて建設を推進しました(参考『琵琶湖疏水の100年』京都市水道局、平成2年発行)。島田道生が作成した測量図等も重要文化財です。
琵琶湖疏水の建設は、東京遷都による衰退の危機から京都を復興するとともに、京都の経済や産業や文化の発展に貢献しました。蹴上にある傾斜鉄道のインクライン、赤煉瓦で作られた南禅寺水路閣、第一から第三隧道(トンネル)が国宝です。
京都市立琵琶湖疏水記念館では建設工事だけでなく、北垣国道や島田道生の業績も紹介しています。戎川(えびすかわ)水力発電所の近くに北垣国道の銅像が建てられています。琵琶湖疏水の建設に養父市出身の二人の人物が活躍しました。彼らの偉業が改めて称賛されています。
蹴上インクラインの下に煉瓦積の「ねじりマンポ」というトンネルがあります。ここには北垣国道の書「雄觀奇想(ゆうかんきそう)・見事なながめと優れた考え」、「陽気発処(ようきはっするところ)・朱子語録にある言葉」が刻まれています。この施設もインクラインの一部として国宝です。
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