まちの文化財(231)養父市を飾る龍の彫刻

更新日:2024年03月19日

玉見区の玉水神社

玉見区の玉水神社

中区の福王寺

中区の福王寺

和田区の栲幡原神社

和田区の栲幡原神社

上山区の坂益神社

上山区の坂益神社

新しい年は辰年です。辰年といえば龍がシンボルです。市内の神社や寺院の建物には、江戸末期から昭和前期にかけて多くの龍の彫刻が奉納されています。彫刻師たちは腕を競って龍を彫りました。その多くが天空の稲妻の中を飛ぶ雲竜の姿です。

江戸末期には丹波柏原の中井家が彫刻師として繁栄し、明治初期には豊岡小田井町の秋塚廣貞、昭和前期には姫路飾磨の松本義廣が優れた彫刻を制作しました。

名工である中井正貞は、十二所の満福寺観音堂、大杉の二宮神社、関宮の関神社に龍の彫刻が残っています。その子の中井正次は大久保の大久保神社、能座の中尾神社、玉見の玉水神社、さらに孫の中井正胤は宮垣の男坂神社、夏梅の二宮神社、筏の三宮神社、吉井の井上神社に龍の彫刻を残しています。中井権次や青龍軒と名乗っており、丹波柏原彫刻と呼んでいます。

秋塚廣貞は、市内では中の福王寺、山路の山路寺山門、青山の大歳神社に彫刻があります。秋塚の弟子と見られる人物が大垣輝貞と大垣和平です。大谷の稲生神社に大垣輝貞、大江の養泉寺に大垣和平の龍の彫刻があります。但馬豊岡彫刻と呼んでいます。

松本義廣は、飾磨を代表する名工です。和田の栲幡原神社、長野の斎神社、上山の坂益神社、下網場の安楽寺、筏の長谷寺に彫刻があります。これを飾磨彫刻と呼んでいます。

龍には雲や雷の彫刻が付属しています。龍は空を舞って雨を降らせる水を司る神様です。神社や寺院の正面を飾る龍の制作は、彫刻師たちが活躍する晴れ舞台です。

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