まちの文化財(232)一円電車を作った勝部郁男氏

更新日:2024年03月19日

乗客を運ぶ客車くろがね号

乗客を運ぶ客車くろがね号

くろがね号の設計図(一部)

くろがね号の設計図(一部)

静態保存されている電車白金号

静態保存されている電車白金号

白金号の設計図

白金号の設計図

明延鉱山の本部から神子畑選鉱場まで鉱石を運搬した鉱山鉄道が明神電車です。明延鉱山は昭和20年から昭和60年まで、乗客を乗せる専用の電車を運行しました。昭和36年には鉱石を運搬する合間に1日6往復を運行し、一円電車と呼ばれました。

あけのべ憩いの家に展示されているのが電車の白金号です。ボンネットが前後に飛び出した凸形で、直流電圧500ボルトのモーターで走行しました。速力は時速12キロメートル、5馬力、定員6人、昭和27年の製造です。

明延の体験乗車会で運行されているのが客車のくろがね号です。昭和25年12月三菱鉱業株式会社社長の羽仁路之氏の視察のために製造された特別の客車で、定員23人です。

これらの車両は勝部郁男氏の設計です。勝部氏は昭和22年に東京帝国大学工学部機械科を卒業して三菱鉱業株式会社に入社。翌年5月から昭和27年3月まで明延鉱業所に勤務して車両を設計しました。

その後、尾去沢鉱業所や直島製錬所に勤務し、昭和50年三菱金属株式会社(現三菱マテリアル株式会社)取締役に就任。さらに昭和57年大手興産株式会社(現三菱マテリアルテクノ株式会社)社長に就任して活躍されました。

現在では明延鉱山の一円電車は日本遺産に認定され、さらに兵庫県指定文化財にも指定されています。勝部氏は明延鉱山「一円電車の父」と呼ばれています。明延鉱山では技術革新のために鉱山で必要な様々な技術を自分たちで開発しました。

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