まちの文化財(227)山路寺の蛇紋岩石垣

更新日:2024年03月19日

山路寺の入り口にある石垣

山路寺の入口にある石垣

山路寺の宝篋印塔と五輪塔

山路寺の宝篋印塔と五輪塔

切り込みはぎの石垣

切り込みはぎの石垣

文化9年と常三郎の文字

文化9年と常三郎の文字

加保の法華寺の石垣

加保の法華寺の石垣

大杉の二宮神社の石垣

大杉の二宮神社の石垣

大屋地域局の南側の市道に面して山路寺の参道の入口があります。ここには高さ約1メートルの細長い石垣が積まれており、その奥側の石垣の上に蛇紋岩による四角形の石塔が建てられています。

蛇紋岩の切石を2段に積んだ上に石塔があり、表面には胎蔵界の真言(しんごん)を示す「アビラウンケン」という5文字の梵字が刻まれています。文化9年(1812)に造立されています。

この部分の石垣は蛇紋岩を切石に加工して積んだ「切込みはぎ」という技術が使われています。石材を様々な方向に組み合わせた「乱積み」が採用されています。表面には細かいタタキの加工が施されています。石垣の一部に「文化九申天 五月吉日」「築地 加保村 常三良作」の文字が彫られています。加保の法華寺、大杉の二宮神社にも類似した蛇紋岩の切石を使った石垣が見られます。

蛇紋岩を切石に加工した「切込みはぎ」の石垣が大屋の石工によって構築されています。地元の良質の蛇紋岩を使用した石垣であり、蛇紋岩細工と同じ土台をもつ石材加工の技術です。この他にも山路寺の山門まで続く石段は蛇紋岩を加工した切石で作られています。大屋では、蛇紋岩の切石を使った神社の石段はよく見られます。

山門を入ると一石五輪塔と宝篋印塔があります。宝篋印塔(ほうきょういんとう)は文政10年(1827)、五輪塔は文久4年(1864)に造立された蛇紋岩の彫刻です。濃い青緑色の蛇紋岩の表面が、現在も美しい色に輝いています。作者は不明ですが、由良の伊澤伊兵衛や元三郎が活躍した時期にあたります。養父市を代表する立派な蛇紋岩の石塔が山路寺に伝わっています。

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