まちの文化財(219)高柳の住吉神社

更新日:2023年05月18日

住吉神社本殿

住吉神社本殿

向拝にある龍と獅子噛の彫刻

向拝にある龍と獅子噛の彫刻

鳥居と本殿を保護する覆い屋

鳥居と本殿を保護する覆い屋

天明7年に作られた灯籠

天明7年に作られた灯籠

道の駅ようか但馬蔵の後側に、山側に向かって一直線に伸びる長い石段があります。石段を登るとその頂上に住吉神社があり、古い石灯籠があります。天明7年(1787)に、勝治(勝地)小重郎と福田惣右衛門が各1基を奉納しています。

さらに進むと石段の正面に本殿があります。本殿の屋根は一間社流造(いっけんしゃながれづくり)という構造です。流造の屋根に千鳥破風(ちどりはふ)と唐破風という飾り屋根がついた豪華なものです。建築年代は、彫刻の文様から18世紀後半です。石灯籠が奉納された天明7年と同じ頃にあたります。

本殿正面の向拝(こうはい)付近には多くの彫刻があります。正面に龍の彫刻を配置し、その上に柱を噛んでいる獅子噛(しかみ)があります。向拝の柱には長い鼻と牙をもつ象と獅子(しし)の彫刻があります。制作者は不明ですが、米里一宮神社の彫刻を作った丹波市柏原町の彫刻師、中井君音を候補にあげています。

籠り堂の屋根には、旧グンゼ八鹿工場の守衛所や立誠舎と同じ、暗い茶色の八鹿瓦が並んでいます。軒先瓦には八鹿瓦の代表的な文様があり、4個の珠紋を中央に置いて3枚の唐草が左右に広がっています。

毎年2月3日の節分には参拝した氏子に、まゆ団子と唐辛子を入れて煮た黒豆を渡す伝統行事が行われています。これは養蚕の成功を祈願する行事です。かつては市内の養蚕農家でもまゆ団子を作って神棚などに供えていましたが、現在は行われていません。高柳区は三階建養蚕農家住宅が多く、養蚕の盛んな地域であったことから、まゆ団子の伝統が住吉神社で受け継がれたのでしょう。

この記事に関するお問い合わせ先

歴史文化財課
〒667-1105
養父市関宮613-6
電話番号:079-661-9042
ファックス番号:079-667-2277

フォームからお問い合わせをする