上垣守国養蚕記念館と交流施設
かいこの里
大屋町蔵垣に“かいこの里”があります。ここには上垣守国養蚕記念館、かいこの里交流施設、かいこ飼育所などがあります。養父市大屋は江戸時代後期から昭和まで兵庫県下で最も養蚕が盛んな町であり、関西地方で最も優れた養蚕文化が栄えました。このため但馬の養蚕文化を後世に伝承し、養蚕の神様と言われた上垣守国翁を顕彰しています。
上垣守国養蚕記念館は平成7年に開館し、かいこの里交流施設は平成17年に開館しました。
上垣守国養蚕記念館
かいこの里交流施設
かいこ飼育小屋
かいこ飼育小屋の中
上垣守国養蚕記念館は、養父市で多く作られている木造瓦葺、3階建の養蚕農家住宅です。3階の高さがやや低い中三階(ちゅうさんがい)と呼ばれる3階建養蚕農家を伝統工法で新築しました。1階は住宅、2階と3階が養蚕場(ようざんば)になります。
主屋は瓦葺3階建であり、正面である桁行(けたゆき)が五間半(ごけんはん)、側面である梁間(はりま)が四間(よんけん)です。大屋根の上には抜気と呼ぶ越屋根(こしやね)があります。この主屋には付属して牛小屋があります。牛は農家に絶対必要な大切な労働力で、家族のように寝食を共にしました。瓦葺平屋建で正面の桁行は二間、梁間二間です。
飼育されるかいこ
かいこの繭
玄関は幅が二間あり、その内の一間が大戸になっており、その中に障子を貼った引戸があります。主屋の玄関横には小便たんごがあります。土間の右側には田の字形に4部屋があります。正面側がみせとおもて、裏側がいろりのある居間とちょうだいになります。おもては正面に向かって右側が仏壇で、上垣守国翁をお祀りしています。養蚕時には、みせとおもては畳をおこして床板を出して桑置き場に利用しました。みせと居間と土間の間にある柱が、大黒柱です。26センチ角のケヤキの大黒柱です。この規模は庄屋クラスでの数少ない大きな柱であり、一般の農家では16センチから19センチでした。
かいこの里交流施設は、抜気の付いた瓦葺平屋建の建物です。内部には土間と畳間、調理場、トイレがあります。交流施設では蚕の繭で作った人形を販売しています。桑の葉うどんやコーヒーなどの食事もできます。また季節に応じて写真展や雛人形や五月人形などの特別展示をしています。
繭人形
桑うどん
桑の葉茶
ブルーベリージャム
農村人形「繭かき」
敷地内の飼育場では毎年5月20日頃から養蚕をはじめます。6月15日頃には、すがいて上蔟します。その後、一週間ほどで繭を取ります。これらの施設は、蔵垣区の“かいこの里の会”が養父市の指定管理者となって管理運営しています。開館は10時から16時で、月曜日と火曜日が休館です。
歴史文化財課
〒667-1105
養父市関宮613-6
電話番号:079-661-9042
ファックス番号:079-667-2277
更新日:2024年01月09日