まちの文化財(121) 養父の太郎左衛門
恩賞の文字を書いた顕彰碑
養父の太郎左衛門の供養塔
天正8年(1580)6月頃、羽柴秀吉の弟である羽柴秀長は、織田信長によって出石城主に任命され、但馬国で10万5千石の領地を与えられたと言います。
この時、羽柴秀長が領内の農民に対して褒美を与えました。鮎を捕る税金を免除する鮎漁免状です。5月15日岩中村の4人、6月25日浅間村と網場村の各1人、合計6人に免状を与えました。
薮崎村の養父の太郎左衛門(たろうざえもん)には、土地にかかる税金の一部を免除する免状が与えられました。羽柴の軍勢が大屋川を渡河するのを助けた褒美だと言われています。
古文書には「諸公事(しょくじ)免許せしむのところ、違儀あるべからず候也。小一郎、長秀。八月十三日。養父、太郎左衛門」。年号は天正8年と推定されています。秀長は当時、長秀と名乗っていました。税金の一部を免除する諸公事免除は、鮎の免税漁業を許すという恩賞に比べて、格段に高い恩賞になります。
天正13年、出石藩主は同じような内容の諸公事免除の免状を広谷村に与えています。市場を運営する特典として与えました。出石藩は殿様が交代しても、江戸時代を通じて特典を認めました。
薮崎区では太郎左衛門を顕彰し、羽柴秀長の恩賞に感謝する太閤祭(たいこうさい)を、毎年9月、太郎左衛門の供養塔の前で行っています。江戸時代には太閤祭り・御免祭りと言って8月13日に行っていた伝統行事です。
供養塔は、二段の台座の上に置かれた高さ約150センチメートルの三角形の立派な石材です。太郎左衛門が武功によって、出石藩に減税を認めさせた功績が讃えられています。
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更新日:2019年11月14日