まちの文化財(88) 耳堂のお地蔵さん

更新日:2019年11月15日

耳堂の石仏群

耳堂の石仏群

耳堂のお地蔵さん

耳堂のお地蔵さん

 

上三宅のバス停付近から大谷方向をみると、国道9号線から山側に分かれる道路があります。この道路は昔の山陰道でした。

この道を進むと、耳堂(みみんどう)と呼んでいる場所になります。ここには昔、大きな寺院があったと言われています。 この由緒をかたる地蔵菩薩立像が、屋根のある小さな祠の中に立っています。この付近は、昔から清水が湧き出ることから、旅人の休憩場所にもなっていました。

地蔵菩薩像の高さは158センチメートルで、等身大のものです。台座を含めた全体の高さは204センチメートルあります。石材は、下から台座・蓮華座・地蔵像・笠という形で積まれています。頭に笠をかぶっていることから、笠地蔵になります。関宮地域では、大きな石仏です。 顔は面長で、しずかな表情です。身体には、衣の上に袈裟を着て、右手に数珠、左手に玉を握ります。

台座には、天保10年(1839)の建立で、願主は大谷の曹源寺12世であるという銘文があります。 八木城主の第11代八木重頼の法名は、曹源院殿宗材です。城主は寺院の名称を法名とすることがあるため、曹源寺は曹源院にゆかりがある寺院だと推定しています。

地蔵信仰には、延命や子育て、危険からの身代わりなど、たくさんのご利益があるものです。

地蔵菩薩立像の横には、大きな五輪塔もあります。高さ145センチメートルの立派なもので、元禄12年(1699)の建立です。これも関宮地域を代表する質のいい五輪塔です。

三宅には、「三宅の大仏」と呼ばれている阿弥陀如来立像があります。高さ3.5メートル、木造では市内最大級です。平安時代の作で、もとは耳堂にあった常光寺の本尊だとも言われています。江戸時代に身体が大破し、頭部を生かして立派な仏像に修復されています。

常光寺は、八木城主の菩提寺であり、第8代八木直重の法名は、常光寺殿宗栄です。 三宅の耳堂付近に、八木城主にゆかりのある大きな寺院があったという話は本当でしょう。等身大のお地蔵さんが、今日も静かに、人々の健康と安全を見舞っています。

 

 

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