まちの文化財(55) 蔵垣かいこの里

更新日:2019年11月15日

上垣守国養蚕記念館

                 上垣守国養蚕記念館

玄関から見た土間の様子

                玄関から見た土間の様子

 

蔵垣かいこの里公園には、上垣守国(もりくに)養蚕記念館、かいこの里交流施設、かいこ飼育所があります。但馬の養蚕と上垣守国さんを顕彰する公園です。

上垣守国養蚕記念館の建物は、この地方で多く作られている木造瓦葺、3階建の養蚕農家の民家です。玄関を入ると土間があり、土間の奥にはクドがあります。そして外側の玄関の横には小便タンゴがあります。さらに左側には付属屋として牛を飼うための平屋建ての牛舎があります。平成7年に開館しました。

上垣守国は、明和7年(1770)18歳から陸奥国伊達郡福島などに往来し、先進地の蚕種を持ち帰り、但馬・丹後に広めて蚕種改良に尽力した人物です。そして享和3年(1803)、48歳の時に養蚕秘録という養蚕の技術書を出版しました。そして文化3年(1806)8月に56歳の若さで亡くなりました。

養蚕記念館では、上垣守国の業績をたたえ、養蚕秘録や上垣守国が使用した煙草入れ、筆の入った矢立などを展示しています。

江戸時代後期、シーボルトが養蚕秘録を日本からオランダに持ち帰り、オランダ王室通訳官であったホフマンがフランス語訳し、そして嘉永元年(1848)にパリとトリノで農業技術書として出版されました。日本国内でも、明治20年(1887)まで出版され続けました。このため上垣守国さんは亡くなった後も、大屋では長い間、養蚕の神様として尊敬されてきました。

かいこの里では、毎年5月20日頃から養蚕をはじめ、6月15日頃にはすがくようになり、上ぞくさせています。そして一週間ほどで繭を取ります。また但馬内で希望する小学校には育てた蚕を教材として寄贈して、学校で2週間ほど飼って繭にします。

現在これらの施設は、蔵垣区が中心となった「かいこの里の会」が指定管理者となって運営しています。交流施設では桑の葉うどんやコーヒーなどの食事もできます。また雛人形や五月人形などの特別展示もします。かいこを飼育している6月前半に、ぜひ団体で見学にお越しください。

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