まちの文化財(34) 加保坂のミズバショウ古墳

更新日:2019年11月15日

尾根の斜面にある古墳

                  尾根の斜面にある古墳

古墳の測量風景

                        古墳の測量風景

 

 市内の中学2年生は、6月4日から8日まで市内各地でトライやるウイークに取り組みました社会教育課でも養父中学生9人が大薮集落にある大薮古墳群の測量、大屋中学生の2人が大屋町加保坂のミズバショウ公園内にある古墳の測量を体験しました。

ミズバショウ古墳は、ミズバショウ自生地から20メートルほど離れた、自生地の北側斜面にあります。平成18年11月に発見されました。平成19年度に発行される大屋町史史料編に地形図を掲載するために測量調査をしました。測量方法は平板・レベル・巻き尺を利用する平板測量です。

古墳の墳丘の規模は、南北690センチメートル、東西535センチメートルの南北方向にやや長い小規模な円墳です。埋葬施設は全長450センチメートル、幅90センチメートルほどの横穴式石室であることが分かりました。

この古墳は7世紀中頃に作られた円墳で、二つの特色があります。第一に、現地が関宮地域と大屋地域の境界にあたる標高597メートルの山頂付近に立地することです。養父市で最高所に作られた古墳になりました。第二に、最も近い加保集落から直線距離で2キロメートルも離れています。これほど山深い場所に古墳が作られることはありません。

つまり加保集落から遠く離れた標高597メートルの山頂付近に、なぜ古墳が造られたのでしょうか。それは、ミズバショウの花守として活躍した人物を、村人たちが大切に埋葬したからだと考えています。

6月のミズハジョウは、白い萼はなくなって葉は大きく開きます。5センチメートル程度に成長した緑色の花軸に黄色の小さな実が形成されつつあります。加保坂のミズバショウは、兵庫県指定文化財であり、養父の市花でもあります。この古墳は1300年以上も静かにミズバショウを見守っています。

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