養父市大屋町大杉重要伝統的建造物群保存地区の概要

更新日:2019年11月28日

養父市大屋町大杉重要伝統的建造物群保存地区

平成29年7月31日、文部科学大臣によって、養父市大屋町大杉の約5.8ヘクタールが、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
重要伝統的建造物群保存地区としては全国で115地区目になります。兵庫県内では、神戸市北野町山本通(昭和55年4月選定)、篠山市篠山(平成16年12月選定)、豊岡市出石(平成19年12月選定)、篠山市福住(平成24年12月選定)に続いて5地区目です。
また、「山村・養蚕集落」という種別では全国で4地区目、西日本地域では初めての選定です。養父市を代表する大杉地区の集落景観が、日本の養蚕集落として評価をされたものです。

養父市大屋町大杉地区には、三階建の養蚕住宅が群となった養父市を代表する素晴らしい農村景観があります。養蚕住宅を中心とした土蔵や納屋などの伝統的建造物群や谷川にそって営まれた集落の環境が地域的な特色をよく表しています。

保存地区の名称
名称  養父市大屋町大杉伝統的建造物群保存地区
所在地  養父市大屋町大杉字大杉ほか
種別  山村・養蚕集落
面積  約5.8ヘクタール

上空から見た大杉地区

上空から見た大杉地区

市長メッセージ

養父市大屋町大杉が、国の「重要伝統的建造物保存地区」に選定されることになりました。

養父市では、養蚕のために発達した木造三階建の養蚕農家が、全国で最も多く建築されました。現在も市内各地で建ち並んでいます。その中でも大屋町大杉は、養蚕住宅を中心とした味わいのある優れた景観が受け継がれ、すでに、三階建の養蚕住宅を活用した古民家の宿やギャラリーもあります。

大正・昭和の時代には、農業や養蚕業が生活に根付いて輝いていました。三階建の養蚕住宅は、生活文化を伝える宝です。養父市の景観を代表する全国に誇りうる大杉の集落景観を継承し、市民のみなさんと共に多彩な交流を深め、地域が一層輝くようにがんばってまいります。

平成29年8月1日

養父市長 広瀬栄

三階建養蚕住宅

保存地区は、兵庫県北部に位置し、兵庫県の最高峰である氷ノ山の山並みに抱かれた地域であり、氷ノ山に源を発する大屋川沿いの大屋町大杉区に属しています。
保存地区には、江戸時代後期から昭和30年代までに建てられた主屋や土蔵などの伝統的建造物が群として現存しています。主屋の中心は、二階建や三階建の養蚕住宅であり、その中でも三階建の養蚕住宅群が特徴のある集落景観を形づくっています。養蚕住宅は、切妻型の瓦葺屋根、抜気とよぶ換気装置、大壁造、大きな掃き出し窓の採用という形式で統一されています。

養父市大屋町は、兵庫県において養蚕業が最も盛行した地域であり、養父市内でもとりわけ大型の養蚕住宅が多く受け継がれています。そうした大屋町の中央付近に大杉地区が位置しています。

大杉地区は平成13年、兵庫県景観形成地区に養蚕集落として11.1ヘクタールが指定され、兵庫県のガイドラインに沿って景観の維持が進められてきました。その中心部にある5.8ヘクタールが今回の伝建地区です。地区内には主屋27棟があり、そのうち、12棟が三階建養蚕住宅です。大杉地区には養父市を代表する優れた集落景観が受け継がれています。

平成18年度に行った三階建養蚕住宅の調査では、市内に495戸の三階建がありました。三階建の養蚕住宅は、全国的には極めて少ない農家住宅です。しかし養父市では、明治中期以降、近代的な養蚕住宅として発達しました。市内には二階建、三階建の養蚕住宅が多数存在し、現在も生活に密着した養父市らしいた景観を形成しています。その中でも大杉地区は、二階建と三階建の養蚕住宅が織り成す集落景観を保ち、養蚕業の最盛期を良好に伝えています。

三階建養蚕住宅

三階建養蚕住宅

木彫展示館(旧栃尾医院)

木彫展示館(旧栃尾医院)

この記事に関するお問い合わせ先

歴史文化財課
〒667-1105
養父市関宮613-6
電話番号:079-661-9042
ファックス番号:079-667-2277

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