平成22年!祝!国指定重要文化財名草神社
平成22年6月29日(火曜日)、文部科学大臣によって新しい国の重要文化財に「名草神社」1件が指定されました。養父市内では、明治37年2月18日指定の「名草神社三重塔」以来の重要文化財の指定で、106年ぶりになります。
これで名草神社にある本殿、拝殿、三重塔の3棟の建造物が国指定の文化財になりました。国指定の建造物が3棟も並ぶ場所は北近畿でも他にはありません。
江戸時代に建てられた大規模な本殿と拝殿は大変すばらしいものであり、兵庫県を代表する貴重な建造物です。
名称:名草神社 2棟(本殿と拝殿)
所在地:養父市八鹿町妙見区
所有者:宗教法人名草神社
本殿
桁行(けたゆき)9間(17.6メートル)
梁間(はりま)5間(9.0メートル)
入母屋造、千鳥破風付
向拝3間(6.5メートル)、唐破風付
こけら葺
拝殿
桁行5間(11.7メートル)
梁間2間(5.2メートル)
懸造(かけづくり)
割拝殿(わりはいでん)
入母屋造、こけら葺
豊富な彫刻で飾られた本殿向拝
参拝者が通ることができる割拝殿
名草神社は、養父市八鹿町妙見村に鎮座し、妙見山(標高1139メートル)の中腹(標高800メートル)に位置し、古くは妙見社と称して、近世の但馬地方における妙見信仰の拠点として栄えました。明治6年、豊岡県の伝達により、妙見社から名草神社に社名を変更しました。
本殿は、宝暦4年(1754)に上棟され、出石城下の大工と地元の大工が棟梁を務めました。平面は桁行7間、梁間2間を内陣とし、その前面を外陣とするものです。正面の向拝廻りは意匠を凝らしており、華やかな彫刻が用いられ、躍動感のある構成となっています。
拝殿は、割拝殿形式で、元禄2年(1689)に建立されました。奈良県天理市石上神宮摂社出雲建雄神社拝殿(国宝)、京都市由岐神社拝殿(重要文化財)などでしかみられない全国でも珍しい建築様式です。
名草神社の本殿は、特異な平面と空間構成を持つ大型社殿であり、豊かな彫刻や色彩で飾られ、但馬地方における先駆的な装飾を持つ神社建築として貴重です。また本殿とともに残る拝殿は、割拝殿形式の希少な遺構であり、高い価値を有しています。
本殿を飾る豊富な彫刻の数々
明治37年指定の三重塔
平成22年6月29日、全国で8件が国指定の重要文化財になりました。名草神社2棟(兵庫県養父市)、杉本家住宅4棟(京都市)、清流亭3棟(京都市)、旧木下家住宅1棟(福井県勝山市)、旧賓日館3棟(三重県伊勢市)、琴ノ浦温山荘3棟(和歌山県海南市)、旧西村家住宅1棟(和歌山県新宮市)、旧玉名干拓施設7カ所(熊本県玉名市)です。
この中には、明治・大正・昭和に完成した近代住宅や近代建造物が6件あります。神社や寺院などの歴史的建造物は、名草神社1件だけが国指定となりました。近現代の建造物が注目を受ける中で、近世神社建築として名草神社だけが歴史的な価値を認められました。
重要文化財(建造物)指定は、兵庫県においては平成21年6月に姫路市の随願寺が受けています。但馬地域では昭和52年6月朝来市神子畑鋳鉄橋の国指定以来33年ぶりです。また養父市内では明治37年2月の名草神社三重塔の指定から106年ぶりの出来事です。
名草神社本殿と名草神社拝殿は、それぞれ昭和42年3月31日、兵庫県重要有形文化財に指定されました。名草神社三重塔は、出雲大社に建てられていた三重塔で、江戸時代に妙見社に譲られたものです。
国指定の重要文化財(建造物) 兵庫県但馬地区
名称 | 所在地 | 指定年月日 | 時代 | |
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 |
名草神社三重塔 温泉寺本堂 中島神社本殿 酒垂神社本殿 久久比神社 温泉寺宝篋印塔 日出神社本殿 赤淵神社本殿 神子畑鋳鉄橋 名草神社 |
養父市八鹿町 豊岡市城崎町 豊岡市 豊岡市 豊岡市 豊岡市城崎町 豊岡市但東町 朝来市和田山町 朝来市 養父市八鹿町 |
明治37年2月18日 明治37年2月18日 明治45年2月8日 昭和33年5月14日 昭和33年5月14日 昭和36年3月23日 昭和45年6月17日 昭和45年6月17日 昭和52年6月27日 平成22年6月29日 |
室町 室町 室町 室町 室町 室町 室町 室町 明治 江戸 |
名草神社本殿の写真集
千鳥破風
七曜星の神紋
千鳥破風の懸魚
千鳥破風にある波兎の蟇股
向拝虹梁上の夫婦獅子
向拝虹梁中備の蟇股
向拝柱の獏鼻
向拝柱の獅子鼻
側柱の持ち送り
歴史文化財課
〒667-1105
養父市関宮613-6
電話番号:079-661-9042
ファックス番号:079-667-2277
更新日:2019年11月21日