ミズバショウの花とは

更新日:2022年03月07日

ミズバショウの花

ミズバショウは、日本の中部地方以北からサハリンやカムチャッカに分布するサトイモ科の多年草です。

ミズバショウを見学すると、「白い花が奇麗だなあ」といいます。しかし、白い花びらのようなものは、植物学的には花弁ではありません。これは苞(ほう)といって、花を保護するために花の直下につく葉の変化したものです。サトイモ科の苞は、仏像の光背(こうはい)にある火炎のような形をしていることから、仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれています。

ミズバショウの白い苞の中心には、花茎が下から伸びてその先端が棍棒状に膨らんでします。これがたくさんの花が集まった花序(かじょ)です。ミズバショウの場合、肉穂花序(にくすいかじょ)と呼ばれています。肉穂花序には小さな黄色いブツブツがたくさんついていますが、その一つ一つの花が、ミズバショウの場合は小花(しょうか)と呼ばれる花です。それぞれに4本のおしべと1本のめしべがついています。

大きな白い苞の中にある小さな黄色いブツブツをよくみてください。その中にさらに小さなおしべとめしべが付いています。

4月の水芭蕉自生地

         4月のミズバショウ自生地

5月のミズバショウ自生地

            5月のミズバショウ自生地

仏焔包(ブツエンホウ)の時期

     仏焔包(ブツエンホウ)の時期

花軸の花(受精後)

                 花軸の花(受粉後)

花軸は4月末の花の時期には黄色くみえますが、5月末になると受粉が終わって緑色になって、小さな果実が密集しています。7月になると花軸には、黒い点々のような1ミリメートルにも満たない種が多くできます。そして湿地にその茎が折れて倒れます。花軸は透明なゼリー状になって、その中に種があります。さらに9月になるとそこから芽が出てきます。ミズバショウにも四季の変化があります。

斑点のある葉

斑点のある葉

斑点のある葉

斑点のある葉(近景)

斑点のある葉(近景)

葉は50センチメートルから100センチメートルにもなります。湿原に生育してバショウの葉に似ていることから、ミズバショウといわれています。

加保坂のミズバショウの葉には、暗い緑色の横筋の斑点があります。大屋町史自然編によると斑点のないものと区別する意味で、斑入り(ふいり)ミズバショウと呼びます。石川・福井・岐阜にまたがる白山のミズバショウには斑点が見られます。そして白山山系にある取立山や蛭ヶ野にも斑点が認められます。しかし群馬県の尾瀬や、山形県のものを繁殖させた六甲山のミズバショウには斑点がみられません。ミズバショウにも2種類あると考えられます。加保坂湿地のミズバショウは、葉に斑点があることが特徴の一つです。

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