加保坂の湿地

更新日:2022年03月07日

加保坂のミズバショウ

自生地(尾根中央のくぼんだ所)

自生地(尾根中央のくぼんだ所)

ミズバショウは、昭和51年3月23日、加保坂のミズバショウ自生地として、兵庫県指定文化財の天然記念物になりました。兵庫県養父市大屋町加保坂58番地にあります。大屋と関宮を結ぶ道路が山脈を横切って通っており、山頂の峠の道路に面した位置にミズバショウ公園の入り口があります。

標高638メートルの尾根の大屋側にあたる南斜面に自生地があります。地形の変化によって南北幅200メートル、東西幅140メートルの袋状の谷地形ができています。

尾根から約43メートルほど下がった標高595メートル付近から水が湧きだしています。ここに南北長さ100メートル、東西幅40メートルほどの加保坂湿地があります。深いところで泥炭が100センチメートルほど堆積しています。標高595メートルから標高580メートルの緩やかな傾斜地が、ミズバショウの自生地となっています。面積3,967平方メートルが兵庫県指定文化財になっています。

ミズバショウ自生地

             ミズバショウ自生地

ミズバショウ

              ミズバショウ

林の中に広がる湿地

林の中に広がる湿地

階段状に続く見学デッキ

階段状に続く見学デッキ

ここには現在、1,960個体のミズバショウが生育しています。湿地の中央が少し低くなって細い水路となっており、その水の流れにそってミズバショウが密集しています。しかしほとんどが小形のもので、30センチ以上の大形の個体は250個体ほどです。大形のものは湿原の上部や木陰などにみられます。

兵庫県では六甲山の高山植物園、村岡のハチ北高原などで観察のためにミズバショウが栽培されていますが、加保坂のミズバショウは、人間が植えたものではない天然の自生地として大変貴重なものです。

このため周囲に金網を張って鹿や猪が侵入して荒らさないように保護をしています。また湿地には人の立ち入りを禁止して、靴についた種が外から持ち込まれないように管理しています。開花期には三脚を立てて望遠レンズで写真を撮影する人もいます。

加保坂湿地の主な植物

ミズバショウ生育の基盤を作っているのが、保水力の高いオオミズゴケです。ここにはミズバショウのほかにトキソウ、白いヒゲ状の花をつけるオオシラヒゲソウなどがあります。また北方系のヤマドリゼンマイや真っ赤な花をつけるカキランなど、多くの植物が自生しています。周辺の樹木はコナラや松、ソヨゴなどの林です。

自生地の中で、5月20日にはレンゲツツジが咲いていました。10月23日にはシラヒゲソウが咲いています。

レンゲツツジ

レンゲツツジ

ヤマドリゼンマイ

ヤマドリゼンマイ

シラヒゲソウ

シラヒゲソウ

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