八鹿と広谷の造り物

更新日:2019年11月25日

1)八鹿の造り物

大森のはばたん

            大森地区制作の「はばタン」

天子のはばタン

                天子地区制作の「はばタン」

平成17年7月16日と17日に八鹿夏まつり造り物が開催されました。大森・諏訪町・下町・宮町・仲町・新町・栄町・京口・天子の9地区に加えて、八鹿公民館のわんぱくクラブの10チームが参加しました。最優秀賞のダイヤ賞は、建具部品で作った京口区の兵庫県立養蚕学校でした。

造り物は「一式飾り」といって建材の金具関係、台所用品関係、山野にあるものなど、同じ種類の材料を使用しなければなりません。

今年は、のじぎく兵庫国体のマスコット「はばタン」が3地区で作られていました。天子区はオードブルにつけるプラスチックの菊花を集めて丸顔のはばタンを作っていました。大森区では短く切った割り箸をすだれのようにつないで身体や顔を作りました。 ボールを持ったはばタンが音楽に合わせて左右に回転する姿が印象的でした。栄町区では菊花などの生花を集めて、羽ばたくはばタンを絵画のように描きました。

造り物は今から約200年前の江戸時代後期、大阪から全国に流行しました。現在も全国の約50か所で受け継がれている貴重な伝統芸能が造り物です。広谷の観音祭りのほか、江原、和田山、梁瀬、夜久野などの夏祭りでも作られています。南但馬は全国でも造り物の中心地の一つです。

造り物には「見立て細工」という技術があります。天子区のはばタンの身体は、プラスチックの菊を一つ一つ張り合わせて作っていますが、少し離れるとその材料が他にはない存在感を示しています。これが見立て細工です。独自のアイデアで「一式飾り」や「見立て細工」に挑戦するのが造り物なのです。新町ミニ博物館は今年で5年目です。ようか武道館で生け花展が開催されました。夏祭りに合わせて一年に一度、八鹿の街角に美術館や博物館が開催します。

2)広谷の造り物

1組制作のつくりもの

       1組制作の「琵琶湖満月寺浮御堂」

3組制作のつくりもの

           3組制作の「米つき水車小屋」 

広谷観音祭りが平成16年7月17日と18日に行われました。17日は広谷観音囃子が町内を練り歩きました。この祭りにあわせて6点の「造り物」が展示されました。

造り物は、江戸時代後期にあたる今から200年前に大阪で始まった細工見世物をルーツとする伝統芸能です。全国約50地区でしか伝承されていない貴重な伝統行事です。但馬では江原・八鹿・広谷・梁瀬などにあり、隣接地では夜久野や成松でも継承されています。全国的には、南但馬付近、滋賀県東部付近、鳥取県西部から島根県東部、大分県付近など4地区に集中しています。

最優秀賞の市長賞は第1組の「琵琶湖満月寺浮御堂」です。竹を材料として、壁や屋根は竹の細かい細工で丁寧に表現しました。趣向を凝らした造り物は「風流の造形」と呼ばれています。

第3組の「米つき水車小屋」は屋根に竹の細かい枝を並べ、臼には竹の輪切りを置きました。そして水車に水を流してその動力で実際に杵を上下に動かす細工見世物を作りました。第9組の「養父市誕生を祝う鳳凰」は缶ビールなどの空き缶を使って細工をしました。発泡酒缶の赤ラベルが鳳凰の顔の表情を大変うまく表現していました。造り物は近くでみると材料が分かることが重要です。しかし、離れてみると実物以上の存在感を示す必要もあります。これは「見立て」の技法と呼びます。第5組の「養父市丸就航」は、すだれだけで帆船を作っています。

こうした一つの材料で作る技法を「一式飾り」と呼びます。広谷代表区長は「広谷の造り物は山にある自然の竹や木、または空き缶などの廃品を材料として細工を競います。今年は6組で約100人が制作に関わりました。特に今年は力作ぞろいです」と解説しました。造り物は、100年以上も受け継がれている貴重な伝統芸能です。但馬の夏祭りを彩る年に一度だけ開かれる「街角の美術館」であり、伝統文化なのです。

註)養父市まちの文化財(3)広谷の造り物、(4)八鹿の造り物を再掲した。

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