但馬最大の古墳

更新日:2019年11月22日

大薮古墳群の位置

養父市養父地域の円山川に面した南斜面の丘陵地に大薮古墳群があります。兵庫県を代表する、古墳時代後期のに造られた古墳群です。地形は集落を中心として両側に弓形に広がっています。北に山を背負い、南前方には円山川が流れています。そして川の向こうには養父神社をみることができます。

大薮古墳群の大型古墳は、東からこうもり塚古墳・塚山古墳・禁裡塚古墳・西の岡古墳など4基の古墳が作られています。また横穴式石室をもつ中・小規模の古墳群として、東から小山支群・野塚支群・穴ヶ谷古墳群などがあります。道林古墳群は石棺や木棺を埋葬施設とする5世紀後半から6世紀前半の古墳群です。これらの古墳をすべてあわせたものが大薮古墳群で、約150基の古墳群が作られています。

禁裡塚古墳は昭和61年3月に、塚山古墳・西ノ岡古墳・こうもり塚古墳は、昭和63年3月に兵庫県指定文化財になりました。これらの古墳は但馬を代表する大型横穴式石室をそなえた古墳であり、北近畿地域でも最大規模の石室を持つ古墳として注目されています。考古学や歴史ファンの間では「大薮の古墳は飛鳥古墳と同じくらいすごい」と言われています。

大薮古墳群の中にある特に大きな4基の古墳は、大型石室とか巨石古墳と呼ばれています。しかも大薮にある古墳は、兵庫県の中でも特に大きな横穴式石室をもつトップクラスの大型古墳になります。

大薮古墳群遠景

大薮古墳群遠景

大薮古墳群と付近の古墳

大薮古墳群と付近の古墳

但馬最大の古墳

横穴式石室

横穴式石室

大薮古墳群には、但馬最大の古墳があると説明します。養父市大薮にある禁裡塚古墳に作られた横穴式石室の規模が、但馬最大であるだけでなく、北近畿でも最大規模を示しているからです。そして兵庫県下でも1位2位の石室規模を誇っています。

しかし但馬最大の古墳はほかにもあります。朝来市和田山町にある池田古墳という前方後円墳は、全長が128メートルもあります。5世紀の日本海地域では最大の墳丘をもつ古墳と言われています。また朝来市和田山町にある茶スリ山古墳は、直径約90メートルもある円墳です。円墳では近畿地方最大の古墳と言われています。そして兵庫県下でも最大の木棺を埋葬していました。

但馬最大の古墳という言葉の定義は大変難しいものです。墳丘が大きいもの、石室が大きいものなど様々です。正確な表現は、但馬最大の横穴式石室をもつ古墳、但馬最大の前方後円墳、但馬最大の円墳という解説になりますが、いずれの場合も省略して但馬最大の古墳と説明します。

大薮古墳群では6世紀から7世紀にかけて禁裡塚古墳を契機として、塚山古墳・西ノ岡古墳・こうもり塚古墳といった順番で大型古墳が次々と作られました。しかし5世紀に朝来市和田山町で池田古墳や茶スリ山古墳を作った地域には、大薮古墳群クラスの横穴式石室を持つ古墳はありません。こうした事から、6世紀になって朝来市和田山町から養父市養父地域に但馬最大の政治権力の中心地が移ったと主張する学説があります。大薮古墳群を、はたしてだれが作ったのか。簡単には説明ができません。禁裡塚古墳などの大型石室は、奈良県の飛鳥地域にあっても並々ならぬ規模を誇る大型の石室です。但馬らしい田園空間に今も良好な状態で残る大薮古墳群は、名実ともに兵庫県を代表する古墳群だと言えます。

古墳群の地図

                                                                 古墳群の全体地図

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