まちの文化財(155) 大杉地区の養蚕集落
うちげぇのアートおおやの会場「いろり」
大壁が美しい三階建の農家住宅
平成29年7月31日、文部科学大臣は養父市大屋町大杉地区の約5.8ヘクタールを国の重要伝統的建造物群保存地区(略称・重伝建地区)に選定しました。平成29年5月19日、国の文化審議会から文部科学大臣が選定答申を受けていたものです。
全国では115地区目になります。兵庫県内では神戸市北野町(港町)、篠山市の河原町(城下町)と福住(宿場町・農村集落)、豊岡市出石(城下町)に続く5地区目です。大杉地区は「山村・養蚕集落」です。この種別では全国で4地区目、西日本では第1号で初めての選定となりました。
大杉地区は、小高い尾根にある神社とその麓を流れる谷川に沿って畑と住宅が並ぶ南向きの集落です。二階建や三階建の養蚕住宅が並び、神社、畑、水路などの農村景観が良好に続いています。
昭和25年の兵庫県の統計では、兵庫県下の繭生産量の約四分の一を当時の養父郡が占めています。また、平成18年度調査では、市内に495棟の三階建養蚕住宅が確認され、全国最多数となっています。大杉地区では27棟の内、12棟が三階建です。
養父市大屋町では、養蚕とアートを活かした地域づくりを進めています。大杉地区では平成4年に三階建養蚕農家を活用した「ふるさと交流の家いろり」が開館し、平成7年からはここで「うちげぇのアートおおや」が始まりました。
大杉地区では平成4年から四半世紀も古民家の保存と継承に取り組み、養父市を代表する養蚕集落として知られています。今後、全国の重要伝統的建造物群保存地区との連携や整備により、日本を代表する養蚕集落として発展することが期待されています。
歴史文化財課
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更新日:2019年12月05日