まちの文化財(116) 徳本上人とお念仏

更新日:2019年11月14日

唐川にある徳本の名号碑

唐川にある徳本の名号碑

南無阿弥陀仏の文字

南無阿弥陀仏の文字

養父地域には「南無阿弥陀仏」という文字を彫った石碑が54基もあります。これを名号碑(みょうごうひ)、または念仏供養塔と呼びます。

江戸時代後期に活躍した浄土宗の有名な僧侶に、徳本上人(とくほんしょうにん)がいます。徳本行者とも呼ばれた人物です。和歌山県日高町の出身で、文政元年(1818)に60歳で亡くなっています。徳本は江戸小石川の伝通院という寺院の敷地に一行院を建てて住みました。紀州徳川家の帰依をうけるほど有名で、文化8年(1811)には但馬国生野にも来ています。

建屋地区には、徳本自筆の南無阿弥陀仏という文字を写した石碑が9本あります。所在地は唐川・野谷・石ヶ坪・長野・餅耕地・森などです。但馬でも徳本の石碑は、建屋と生野に集中しています。

養父市で最も古い徳本上人の石碑が唐川の地蔵堂の横にあります。文化13年(1816)、徳本上人が58歳の時に立てられた石碑です。石碑の高さは134センチメートル、中央に南無阿弥陀仏、左下に徳本という名前を彫っています。南の文字は丸く描き、無の文字は一を横に大きくのばす独特の形です。

唐川の地蔵堂には「奉修四十八夜念佛回向満座、部落内安全之宝塔也」と書いた卒塔婆も奉納されています。

徳本上人は、十念を唱え、鉦を打ち、参詣人と声を限りに大声をだして念仏を唱え、信者からは生き仏さまと仰がれたと言います。建屋の阿弥陀寺は浄土宗の寺院で、徳本上人の木像が安置されています。但馬地方に念仏講を広めた功労者が徳本上人です。

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