まちの文化財(76) シラカシ大木が倒木
折損したシラカシの幹
倒壊したシラカシ大木
大屋町蔵垣にある上森神社の境内に、兵庫県指定の天然記念物「上森神社のシラカシ大木」があります。昭和61年3月25日、兵庫県指定文化財になりました。
シラカシ大木は樹高19メートル、根周り6.4メートル、幹周りは4.3メートル、推定樹齢は450年です。神社の境内には約60本のシラカシが生育する林になっています。その中でも最大の巨木です。
シラカシ大木は、平成23年1月11日の朝5時、地上から4.7メートルの位置で折れて倒壊しました。樹勢が旺盛で枝張りがよかっただけに、枝に多くの雪が積もりました。幹は直径1.4メートルありました。 しかし幹の内部は腐って空洞になっていました。樹木の木材部は幹の周囲に厚さ20センチメートルあるだけで、内部は直径1メートルの空洞になっていました。大木になると幹に水が入って腐って空洞ができ易くなります。大きな空洞のある幹が、雪の積もった枝を支えきれなかったものです。
上森神社の境内は、集落から約20メートル高い場所にあります。このため幹の上部は枝がついた状態で、13メートル東側の集落側に吹き飛ばされて落下して参道を塞ぎました。しかし近接する住宅には転落しませんでした。
シラカシは常緑カシ類の一種で、但馬地方では内陸部の低山地に生育します。植林で失われた大屋地域本来の森の姿が神社の森として残ったものです。付近では宮垣の「男坂神社のシラカシ林」が兵庫県指定の天然記念物になっています。
蔵垣区長の上垣武士さんは「予想もしない災害となりました。ご神木であっただけに大変残念です。せめて根元から新しい芽が出てほしいものです。上手に倒れて住宅への被害がなかったことが幸いです」と話しています。
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更新日:2019年11月18日