まちの文化財(168) 兵庫県立蚕業学校

更新日:2019年12月05日

創設時の校舎(明治30年9月)

創設時の校舎(明治30年9月)

創立20周年和魂の石碑

創立20周年和魂の石碑

 

明治28年12日、蚕糸が日本の海外輸出の中核となる中で、養蚕技術習得のための学校を養父郡八鹿村に設置する建議が兵庫県議会から兵庫県知事に提出されました。

明治30年、兵庫県簡易蚕業学校(2年・定員20人)が現在の県立八鹿高等学校の場所に創立しました。明治32年、実業学校令により、兵庫県蚕業学校(3年)に改組し、現在の兵庫県立大学のような役割も担いました。明治34年に兵庫県立蚕業学校と改称し、校内には明治40年神戸測候所八鹿臨時測候所、明治41年兵庫県原蚕種試験場が設置されました。

明治41年の定員は、男子部100人(3年)・女子部30人(1年)・別科30人(6か月)・講習科30人(2か月)です。養蚕技術の普及のために2か月という短期の講習科もありました。大正6年の生徒数は227名です。養父郡内78名、養父郡を除く県内118名をはじめ、静岡県から鹿児島まで西日本各地から生徒が集まりました。全国的にも兵庫県立蚕業学校、福島県立蚕業学校、長野県立小県蚕業学校などが、日本を代表する蚕業学校といわれました。

大正6年10月、創立20周年講演会を開催し、上田蚕糸専門学長の針塚長太郎氏、郡是製糸社長波多野鶴吉氏を講師に招き、聴衆1千人が来場しています。

県立八鹿高等学校の入口には創立20周年記念の石碑があります。表に「創立満二十年記念、和、兵庫県立蚕業学校長従七位西谷忠雄謹書」、裏に「大正六年十月二十一日建之、第十九回本科卒業生」と書いています。

昭和13年には県立農蚕学校に改称し、昭和20年の定員は男子部600人、女子部600人となりました。昭和24年に県立八鹿高等学校と改称し、昭和51年には専門学科が独立して県立但馬農業高等学校が創立しました。兵庫県立蚕業学校は養蚕業や農業によって兵庫県を豊かにする学校として発展しました。

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