養蚕住宅群

更新日:2019年11月25日

大屋のまちのあちこちに、今でも3階建ての養蚕住宅が残っています。養蚕は、昔は農業を補う重要な副産業だったのです。 養蚕における世界的先駆者・上垣守国は、この大屋町蔵垣で生まれました。守国は家業の農家のかたわら村の人々に学問を教え、若くして村の庄屋となり、晩年まで村のために貢献しました。 但馬地方は昔から養蚕が盛んでしたが、品質が良くなく、安い値段で取り引きされていました。そこで守国は、より高度な技術を求め、上州や奥州にも出かけて技術習得に努め、良質の生糸づくりを実践し、普及に専念しました。

養蚕住宅の町並み

養蚕のため中3階建になっている住宅。今でもあちこちに養蚕住宅を見ることができます。なかでも大屋町大杉地区は養蚕住宅の町並みが良く保全されていることから、兵庫県景観形成地区に指定されています。

養蚕秘録全3巻

『養蚕秘録』は守国の研究の集大成で、養蚕の歴史や桑の栽培、蚕の飼育方法などが絵図を使って分かりやすく描かれています。国内はもとより、日本の技術輸出の第1号として世界からも高い評価を受けました。