○養父市議会基本条例
平成22年3月26日
条例第19号
目次
前文
第1章 目的(第1条)
第2章 議会と議員の活動原則(第2条~第5条)
第3章 市民と議会の関係(第6条)
第4章 議会と行政の関係(第7条~第10条)
第5章 討議の尊重(第11条)
第6章 委員会の活動(第12条)
第7章 政務調査費(第13条)
第8章 議会及び議会事務局の体制整備(第14条~第17条)
第9章 議員の定数、議員報酬及び政治倫理(第18条~第20条)
第10章 最高規範性及び見直し手続(第21条~第23条)
附則
前文
地方分権が進み、自己決定、自己責任による自治体運営が求められている今日、議会の責任は今まで以上に大きなものとなっています。
市長と議会は、それぞれの持っている権能を十分に発揮し、互いに将来の養父市の発展を目標に活動しなければなりません。
また、「養父市まちづくり基本条例」の理念を確実に守るとともに、市民との協働を踏まえ、自らが絶え間なく調査、研究し、創意と工夫によって養父市のまちづくりを推進していく必要があります。
養父市議会は、市民の願いや期待にこたえ、市民に信頼され、存在感のある議会を目指すため、ここに「養父市議会基本条例」を制定します。
第1章 目的
(目的)
第1条 この条例は、議会運営及び議会と議員の活動原則を示すとともに、自主自立の時代にふさわしい養父市の実現を図ることを目的とします。
第2章 議会と議員の活動原則
(議会の責任と役割)
第2条 議会は、市の最高意思決定機関です。
2 議会は、行政の監視機関としての責任を果たすとともに、市民の立場で政策等を立案、決定及び評価するために活動します。
(議会の運営)
第3条 議会は、この条例に基づいて制定される条例、規則等を守り、民主的な運営と情報の公開に努め、常に市民の理解が得られる議会運営を行います。
2 議長は、議会を代表して中立公正な職務執行に努めるとともに、民主的かつ効率的な議会運営に努めます。
(議員の責任と役割)
第4条 議員は、直接選挙で選ばれた市民全体の代表者です。
2 議員は、市民の多様な意見と実態を的確に把握するとともに、市民の目線で活動し、議会の活性化に努めます。
3 議員は、常に学習、調査研究等を行い、資質向上を目指し、自らの意見と主張を広く市民に伝え、住民自治実現のために活動します。
(会派と議会の総意形成)
第5条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができます。
2 会派は、自らの政策実現を目指すとともに、会派間で政策一致点を見出す努力を行い、議会の総意としての政策実現を図ります。
第3章 市民と議会の関係
(市民参加及び市民との協働)
第6条 議会は、情報の公開に努め、市民に対して、説明責任を十分に果たすとともに、市民との協働により議会運営の充実に努めます。
2 議会は、必要に応じて、参考人制度及び公聴会制度を活用し、市民意見を反映するとともに、学識経験者等からの専門的な知見を審議に生かします。
3 議会は、意見交換や懇談など、市民との交流の機会を積極的に持ちます。
4 議会は、議会報告会を年1回以上開催し、市民からの意見を聴き、議会運営に反映します。
5 議会は、請願・陳情に対して、市民等からの政策提案と位置付け、取扱いを協議した上、提出者等から意見を聴くなどして、民意の反映に努めます。
6 議会は、議会運営及び活動に対する提言等を求めるため、市民から選ばれた議会モニターを設置し、議会運営に反映するよう努めます。
第4章 議会と行政の関係
(議会及び議員と市長その他執行機関との関係)
第7条 議会及び議員と市長その他執行機関(以下「市長等」という。)は、緊張ある関係を保持します。
2 本会議及び委員会における質問等は、市民により分かりやすいものとなるよう一問一答方式で行います。
3 市長等は、本会議、常任委員会及び特別委員会で、議員の質問等に対し、論点を分かりやすくするため、問いただすことができます。
4 議員は、議会の会期中又は閉会中にかかわらず、議長を経由して市長等に対して文書質問及び資料請求をすることができます。この場合において、議長は、市長等に文書で回答するよう求めます。
(議会に対する市長の政策等の説明)
第8条 議会は、市長が市政の重要な政策、計画等を提案するときは、次の事項を添付して説明するよう求めます。
(1) 政策等提案の理由
(2) 提案に至るまでの経過
(3) 市民、関係団体等の意見聴取方法と結果
(4) 財源措置
(5) 養父市まちづくり計画との整合性
(6) 将来にわたるコスト計算
(予算及び決算における説明資料の提出)
第9条 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、市長等に対し、分かりやすい説明資料を提出するよう求めます。
(地方自治法第96条第2項の議決事件)
第10条 議会は、市政振興及び議決責任の役割を市長等と分担する観点から、次の事件について議会の議決を必要とします。
(1) 市民憲章の制定又は改廃に関すること。
(2) 市における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想及び同構想に基づく基本計画の策定、変更又は廃止に関すること。
(3) 定住自立圏構想に基づく定住自立圏形成協定を締結し若しくは変更し、又は同協定の廃止を求める旨を決定すること。
(4) 教育大綱の策定、変更又は廃止に関すること。
2 議会及び市長等は、前項に掲げるもののほか、市行政の各分野における基本的な計画の制定、提携及び協定の締結等に当たって、必要があると認めるときは、議決事件の拡大について協議するものとします。
第5章 討議の尊重
(議論の活発化による合意形成)
第11条 議会は、議論を尽くし合意形成に努めます。
2 議会は、議論の場であることを認識し、委員会審査においては、委員相互間の自由討議を行います。
第6章 委員会の活動
(委員会の活動)
第12条 委員会の調査及び審査は、専門性を発揮するため、市長等に対して資料を求め、市民に分かりやすい議論を行います。
2 閉会中の調査は、市の施策等を検証し、市民の意見を聴取するなど積極的な活動を行います。
3 委員長は、活発な議論を行うよう運営に努め、合意形成を図るとともに、委員会審査の論点・争点を明確にし、報告します。
4 委員会に付託された請願及び陳情については、審査の結果等を報告し、説明するよう努めます。
第7章 政務活動費
(政務活動費の活用と公開)
第13条 議員は、養父市議会政務活動費の交付に関する条例(平成19年養父市条例第7号)に基づいて交付される政務活動費を有効に活用し、政策提言、審議等のための調査研究等を積極的に行います。
2 議員は、政務活動費を充てることができる経費の範囲において、これを適正に執行し、常に市民に対し使途を明らかにするとともに説明責任を負います。
第8章 議会及び議会事務局の体制整備
(議員研修の充実)
第14条 議会は、政策提言及び立案能力の向上を図るため、議員研修の充実を図ります。
2 議会は、市民とともにまちづくりを進めるため、市民参加ができる研修会を開催します。
(議会事務局の体制整備)
第15条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、議会事務局の調査及び法務機能の充実強化を図ります。
2 議会事務局の職員は、議長が任免し、議事機関としての独立性を確保します。
(議会図書等の充実)
第16条 議会は、議員の調査研究のため、議会関連図書や情報機器などを充実します。
(議会広報の充実)
第17条 議会は、議案の審議内容を市民に伝えるなど、常に市民が議会に関心を持つ広報活動に努めます。
2 議会は、議案に対する各議員の対応を議会広報で公表します。
3 議会は、市のケーブルテレビによる放送番組やホームページなどの充実を図り、議会の活動を幅広く市民に周知します。
第9章 議員の定数、議員報酬及び政治倫理
(議員定数)
第18条 議員定数は、養父市議会議員定数条例(平成19年養父市条例第35号)で定めるものとします。
2 議員定数の改正に当たっては、この条例の目的を遂行し、権能を発揮するため、人口、面積、財政力、市民意見などを総合的に判断して、適正な定数を決定します。
(議員報酬)
第19条 議員報酬は、養父市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例(平成16年養父市条例第46号)で定めるものとします。
2 議員報酬の改正に当たっては、この条例の目的を遂行し、権能を発揮するため、議会が有する役割、責任、市民意見などを総合的に判断して、適正な議員報酬を決定します。
(議員の政治倫理)
第20条 議員は、市政に携わる職責と権能を有することを常に自覚し、市民全体の代表者として品位と政治倫理の向上に努めます。
第10章 最高規範性及び見直し手続
(最高規範性)
第21条 この条例は、議会における最高規範であって、議会はこの条例の趣旨に反する議会の条例、規則等を制定又は改廃することはできません。
(見直し手続)
第22条 議会は、市民意見、社会情勢の変化など勘案し、各条文の目的が達成されているか評価、検討を行い、必要に応じて適切な措置を講じます。
2 議会は、この条例を改正する場合には、理由及び背景を本会議において説明します。
(その他)
第23条 この条例の施行に関し、必要な事項は、議長が別に定めます。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成22年4月1日から施行する。
(養父市議会の議決に付すべき事件に関する条例の廃止)
2 養父市議会の議決に付すべき事件に関する条例(平成21年養父市条例第32号)は、廃止する。
附則(平成23年条例第15号)
この条例は、公布の日から施行する。ただし、第10条第1項第2号の改正規定は、地方自治法の一部を改正する法律(平成23年法律第35号)の施行の日又はこの条例の公布の日のいずれか遅い日から施行する。
附則(平成25年条例第1号)抄
(施行期日)
1 この条例は、地方自治法の一部を改正する法律(平成24年法律第72号)附則第1条ただし書の政令で定める日から施行する。
附則(平成27年条例第28号)
この条例は、平成27年7月1日から施行する。
附則(令和4年条例第1号)
この条例は、公布の日から施行する。