○養父市立図書館資料取扱い・収集事務取扱い要綱
令和3年7月20日
教育委員会訓令第3号
(趣旨)
第1条 この訓令は、養父市立図書館条例(令和3年養父市条例第19号)第3条に規定する事業の実施に当たり、養父市立図書館の図書館資料(以下「資料」という。)の取扱い及び収集について、準拠すべき基準を定めるものとする。
(資料の種類)
第2条 養父市立図書館(以下「図書館」という。)で取り扱う資料は、次のとおりとする。
(1) 一般図書
(2) 児童図書
(3) 青少年用図書
(4) 参考図書(学校用及び入試用参考書を除く。)
(5) 郷土資料及び行政資料
(6) 外国語資料
(7) 漫画等
(8) 活字本、図書館利用に障がいのある人のための資料
(9) 逐次刊行物
(10) その他
(基本方針)
第3条 図書館は、資料提供を通じて国民の知る自由を社会的に保障する機関であり、地域の情報拠点及び市民の生涯学習の拠点として、市民の要求及び社会的な動向、地域の実情に十分配慮し、利用者の開拓、読書活動の普及という観点から、主として教養の向上、調査、研究、レクリエーション並びに日常生活及び仕事における課題解決に資する資料を収集する。
2 著者等の思想的、宗教的、党派的立場にとらわれてその著作を排除することなく、対立する意見のある問題については、市民が自ら判断する材料となるよう、それぞれの観点に立ち、幅広い収集に努める。
3 収集に当たっては、市民からの要望や意見を参考にするほか、次の各号に配慮するよう努める。
(1) 市民の潜在的な要求
(2) 乳幼児から高齢者まで全ての年齢層にとって、魅力ある蔵書
(3) 各部門・主題ごとにバランスのとれた蔵書
(4) 個人、組織、団体等からの圧力や干渉によって収集の自由を放棄したり、紛糾を恐れて自己規制したりはしない。
(収集の方法)
第4条 資料収集の方法は、次のとおりとする。
(1) 購入
(2) 編入
(3) 製作
(4) 受贈
(館別収集方針)
第5条 資料の収集における図書館本館及び分館の役割は、次のとおりとする。
(1) 本館は、図書館システムの中枢として、分館の要求にも応えられる資料を幅広く収集し、保存する役割を持つ。また、学校図書館の支援も視野に入れた資料を収集する。
(2) 本館は、生活又は仕事に関する課題、地域の課題の解決に向けた活動を支援する資料、レクリエーション及び教養の向上、調査研究等に必要な資料を、入門書から専門書まで幅広く収集する。
(3) 分館は、教養、実用、レクリエーション等に必要な資料並びに基本的な参考図書及び各地域の特性に応じた資料を収集する。
2 本館及び分館は、次に掲げる事項に留意して資料を収集する。
(1) 子育て、教育、健康、医療、福祉、法律等に関するものなど、ライフステージに応じて必要とされる資料
(2) 就職、転職、起業・経営、資格取得、職業能力向上等に関する資料
(3) 生涯学習や調査研究を支える資料
(4) 幼い頃から本と親しみ、読書習慣を形成していくことに資する児童図書資料
(5) 子どもの読書活動を支える人材育成に資する資料及び学校図書館支援に必要な資料
(6) 養父市、但馬及び兵庫の歴史、地理、経済、文化的な側面から郷土を理解するための地域資料及び市民が市政に関して理解を深め、自らが主体となったまちづくりを考えることを支援する行政資料
(7) 日本語を母語としない市民等を支援する資料
(8) 一般の資料を利用することが困難な市民のための大活字本、LLブック等の資料
(収集基準)
第6条 資料は、次の基準により収集することとする。
(1) より多くの市民が利用できる資料を優先的に収集する。
(2) 同一資料を複数選定する場合は、利用状況に応じ、上限冊数を設ける。
2 資料の種類別基準は、次のとおりとする。
(1) 一般図書
ア 市民の要望及び地域の要請に応えるため、多分野にわたるバランスの取れた資料
イ 入門書などの基本図書をはじめ、必要に応じた幅広い資料
(2) 児童図書
ア 子どもの能力や発達段階に配慮した、絵本、幼年文学、児童文学、実用書、紙芝居等の資料
イ 子どもの健やかな成長を育み、子どもが読書の楽しみを自ら発見し、読書習慣を形成する資料
ウ 評価の定まった資料は、適宜複本を備える。
(3) 青少年用図書
ア 中学生及び高校生を主要対象とした、興味・関心を深め、知性及び感性を豊かにする資料
(4) 参考図書(学校用及び入試用参考書を除く。)
ア 市民の調査、研究等に役立つ専門的な資料
(5) 郷土資料及び行政資料
ア 養父市に関係する地域、池田草庵、上垣守国等の人物及び団体に関する資料は、後世に文化を残すことを視野に入れ、図書を中心に網羅的に収集する。また、養蚕など、地域の特性に関する資料は積極的な収集に努める。
イ 兵庫県や近隣市町に関する主要な資料
ウ 資料の亡失を防ぐため、郷土資料は原則として複本を備える。
エ 行政資料は、体系的に収集する。
(6) 外国語資料
ア 多文化サービスの一環として利用が多いと思われる言語について、教養・レクリエーションなどの分野を中心とした資料
(7) 漫画等
ア 社会的に一定の評価が定まっている著作から選択する。
イ 学習漫画、古典文学等を漫画化した入門書、コミックエッセイなど漫画形式の資料については、各分野で個別に判断する。
(8) 大活字本、図書館利用に障がいのある人のための資料
ア 高齢者、弱視者など一般の資料を利用することが困難な利用者を対象とした大活字本等の資料
イ その他点字資料、触る絵本、オーディオブック等の障がいがある人が利用できる資料
(9) 逐次刊行物
ア 雑誌は各分野における基本的なもの
イ 新聞は主要な全国紙、地方紙その他利用度の高い代表的専門紙
(10) その他前各号に該当しない資料については、館長が別に判断する。
3 次の資料は、原則として収集しない。
(1) 明らかに不健全又は低俗な資料で、資料的価値に乏しいもの
(2) 裁判でわいせつとして判決を受けたもの及び有害図書として指定されたもの
(3) 特定の宗教団体、政党、企業等の宣伝傾向が著しいもの
(4) 各種試験勉強のための参考書、問題集、義務教育上の教科書等
(5) ゲームの攻略法、ギャンブルの予測等に関するもの
(6) アイドル歌手等の写真集
(7) 書込、切取、組立等を目的として作られたもの
(8) 明らかに間違った内容を記載してあるもの
(9) その他館長が不適当と認めるもの
(資料の除籍)
第7条 資料の除籍は、図書館の適正な蔵書構成の維持と充実を図るために、別に定める除籍基準により行うものとする。
(除籍資料の有効活用)
第8条 前条により除籍した資料のうち、再利用することが可能なものは、読書団体又は個人に無償で譲渡することができる。
2 譲渡の方法については、別に定める。
(資料の保存)
第9条 収集した資料は、前条に該当するものを除き、次のとおり保存するものとする。
(1) 図書館システム内で複本のあるものについては、1部保存する。ただし、児童図書の一部と郷土資料については、この限りでない。
(2) 図書館及び市内類縁機関で保存機能の分担等を行う。
2 保存方法及び逐次刊行物の保存期限については、別に定める。
(資料収集委員会)
第10条 図書館に資料収集委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会の委員は、図書館の職員をもって充てる。
3 委員会は、次の業務を所掌する。
(1) 資料の選定に関すること。
(2) 年間及び長期の収集計画に関すること。
(3) 特別集書に関すること。
(4) 大量受贈及び受託資料に関すること。
(5) 関係諸規程、基準等の整備に関すること。
(6) その他必要な事項に関すること。
附則
この訓令は、令和3年9月10日から施行する。