○養父市法令遵守の推進等に関する条例

平成30年3月27日

条例第14号

(目的)

第1条 この条例は、養父市職員等の倫理の保持及び法令等の遵守、市民の遵法精神を高揚させ、公務及び市政に対する信頼を確保するとともに、公正かつ民主的な市政の運営を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市の機関 地方自治法(昭和22年法律第67号)第2編第7章の規定に基づいて設置される市の執行機関、地方公営企業の管理者及び市議会議長をいう。

(2) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第3条第2項に規定する一般職に属する市の職員及び同条第3項に規定する特別職に属する職員(市が任用する職員に限る。)その他市が任用する職員をいう。

(3) 市民 次に掲げる者をいう。

 市内に居住する人

 市内で働く人、学ぶ人又は活動する人及び団体

 市内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体

(4) 職員等 次に掲げる者をいう。

 職員

 市から事務又は事業を受託したもの並びにその役員及び従事者

 指定管理者(地方自治法第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。以下同じ。)並びにその役員及び従事者

 市が出資その他財政支出等を行う法人その他の団体(以下「出資団体等」という。)の出資目的等に係る事務又は事業を行うもの並びにその役員及び従事者

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号)に基づき市の業務に従事している者

(5) 任命権者 法第6条第1項に規定する任命権者をいう。

(6) 要望、提案等 職員に対して行われる市の事務事業又は当該職員の職務に関する要望、提案、提言、相談、依頼その他これらに類する行為をいう。

(7) 不当要求行為 職員に対し、職務に関して違法又は不当な行為をするように要求するなど職員の公正な職務の執行を妨げる次に掲げる行為をいう。

 市が行う許認可その他の行政処分又は請負その他の契約に関して、正当な理由なく、特定のものに対して不当に有利な又は不利な取扱いをするよう要求する行為及び入札その他の事務の公正を害する行為

 市が行おうとしている不利益処分に関して、正当な理由なく、当該不利益処分の名宛人となるべきもののために、当該不利益処分を行わないよう、又は処分内容を緩和するよう要求する行為

 職員の人事(採用、昇任、降任、転任等をいう。)について、正当な理由なく、有利又は不利な取扱いをするよう要求する行為

 正当な権利がないにもかかわらず権利があるとし、提供を受けた役務に瑕疵がないにもかかわらず瑕疵があるとし、若しくは交通事故その他の事故による損害がないにもかかわらず損害があるとし、又はこれらの瑕疵若しくは損害の程度を誇張して、損害賠償、解決金その他これらに類する名目で金品、便宜等を要求する行為

 身体の一部若しくは器具を使って故意に相手を傷つけようとする行為、職員が恐怖を感じ反論し得ない状況に追い込む程度の脅迫又は職員が業務ができない程度のけん騒にわたる行為を用いて要望、提案等を行う行為

 職員が正常な状態で面談することが困難である、又は職務の遂行に支障が生じるおそれがあるため断ったにもかかわらず、強行に脅迫的言動を用いて、又は不快感を生じせしめるほど執拗に面談を強要し、又は営業を行う行為

 粗野な又は乱暴な言動により他人に嫌悪の情を抱かせる行為を用いて要望、提案等を行う行為

 庁舎等の施設の保全若しくは秩序の維持又は市の事務事業の適正な執行に支障を生じさせる行為を用いて要望、提案等を行う行為

 前各号に定めるもののほか、職員等の公正な職務の執行を妨げる行為を用いて要望、提案等を行う行為

(職員が遵守すべき職務に係る倫理原則)

第3条 職員は、公務員としての誇りを持ち、かつ、その使命を自覚し、自らの行動が公務に対する市民の信頼に影響を及ぼすことを深く認識し、職務に全力を挙げることはもとより、市民の信頼を傷つけることのないよう常に自らを厳しく律しなければならない。

2 職員は、全体の奉仕者であり、市民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを深く認識し、職務上知り得た情報について市民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等市民に対し不当な差別的扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならない。

3 職員は、法令等の趣旨及び目的を考慮し、並びにその趣旨及び目的に従い、職務を執行しなければならない。

4 職員は、常に公私の別を明らかにし、その職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない。

5 職員は、法令等により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの贈与等を受けること等の市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。

6 職員は、職務の遂行に当たっては、公共の利益の増進を目指し、全力を挙げてこれに取り組まなければならない。

7 職員は、市の事務及び事業の透明性を確保することを常に心がけ、積極的に説明責任を果たすことにより、市民からの理解及び信頼を得られるようにしなければならない。

8 職員は、職務の遂行に当たっては、前例にとらわれることなく常に問題意識を持ち、改善及び改革に取り組まなければならない。

9 職員は、勤務時間外においても、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを常に認識して行動しなければならない。

10 職員は、不当要求行為を受けたときは、毅然とした対応をしなければならない。

(市の機関の責務)

第4条 市の機関は、常に公正な市政運営を図り、市政に対する市民の信頼を確保するよう努めなければならない。

2 市の機関は、職員が常に公正な職務の執行を行えるよう、職員の倫理の保持及び法令等の遵守に関する啓発、研修その他必要な措置を講じなければならない。

(任命権者の責務)

第5条 任命権者は、職員の倫理の保持に資するため、職員への研修の実施、市民への周知、啓発等必要な措置を講じなければならない。

2 任命権者は、この条例又は第9条に定める職員倫理規則に違反することを理由として行った懲戒処分について、職員の職務に係る倫理の保持を図るため、その概要を公表することができる。

3 任命権者は、職員が違反行為を行った疑いがあると思料するときは、直ちに第11条に定める養父市職員倫理審査会に通知しなければならない。

4 任命権者は、養父市職員倫理審査会が職員に違反行為があると認めたときは、人事管理上必要な措置を講じなければならない。

5 任命権者は、第10条の規定により提出を受けた贈与等報告書について、養父市職員倫理審査会に報告しなければならない。

6 任命権者は、毎年度、第1項の規定に基づき行った措置について、養父市職員倫理審査会に報告しなければならない。

7 市長は、毎年度、職員の職に係る倫理の保持に関する状況について、任命権者からの報告に基づき、その概要を公表するものとする。

(管理監督職員の責務)

第6条 管理又は監督の地位にある職員は、その地位の重要性を自覚し、常に率先垂範して服務規律の確保及び公正な職務の遂行に当たるとともに、管理又は監督の対象となる職員に対し、職員の倫理の保持及び法令等の遵守のために必要な指導及び監督を行わなければならない。

(市民の責務)

第7条 市民は、地方公共団体を構成する一員として常に市の行政運営に関心を払い、職員等による公正かつ適正な職務の執行について理解し、協力するよう努めるものとする。

2 市民は、市が制定する条例等の趣旨を理解するとともに、法令遵守に努めるものとする。

3 市民は、公職にある者に対し、その権限や地位の影響力を不正に行使させる働きかけをしてはならない。

4 市民は、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第199条の2の規定により禁止されている寄附を要求してはならない。

5 市民は、公職選挙法第221条第1項に規定する買収等を持ちかけられた場合、速やかに養父市選挙管理委員会及び警察に通報しなければならない。

6 市民は、職員等に対して不当要求行為その他不正な手段により職員等の公正な職務の執行を妨げる行為をしてはならない。

(職員の倫理を監督する職員)

第8条 職員の職務に係る倫理の保持を図るため、任命権者のもとに職員の倫理を監督する職員1人を置く。

2 職員の倫理を監督する職員は、職員に対しその職務に係る倫理の保持に関し必要な指導及び助言を行うとともに、職員の職務に係る倫理の保持のため、必要に応じて体制の整備を行う。

(職員倫理規則)

第9条 市長は、第3条に掲げる倫理原則を踏まえ、職員の職務に係る倫理の保持を図るために必要な事項に関する規則(以下「職員倫理規則」という。)を定めるものとする。

2 市長は、職員倫理規則の制定又は改廃に際しては、第11条に定める養父市職員倫理審査会の意見を聴かなければならない。

3 任命権者は、職員倫理規則の趣旨を踏まえ、職員の倫理に関する規程を定めることができる。

(贈与等の報告)

第10条 職員は、事業者等から、職員倫理規則に定める額を超える金銭、物品その他の財産上の利益の供与若しくは供応接待(以下「贈与等」という。)を受けたとき又は事業者等と職員の職務との関係に基づいて提供する人的役務に対する報酬の支払いを受けたときは、次の各号に掲げる内容を記載した贈与等報告書を職員倫理規則に定めるところにより任命権者に提出しなければならない。

(1) 当該贈与等により受けた利益又は当該支払を受けた報酬の価額

(2) 当該贈与等により利益を受け又は当該報酬の支払を受けた年月日及びその起因となった事実

(3) 当該贈与等をした事業者等又は当該報酬を支払った事業者等の名称及び住所

(4) 前3号に掲げるもののほか職員倫理規則で定める事項

(養父市職員倫理審査会)

第11条 職員の職務に係る倫理の保持に資するため、養父市職員倫理審査会(以下この条において「審査会」という。)を置く。

2 審査会は、この条例の実施に際し必要な範囲において、次の事務を行う。

(1) 職員倫理規則の制定又は改廃に関して、市長に意見を述べること。

(2) 第5条第3項の規定により、任命権者から通知のあった職員の違反行為に関し、意見を述べること。

(3) 第5条第5項の規定により、任命権者から提出された贈与等報告書に関し、意見を述べること。

(4) 第5条第6項の規定により、任命権者から報告のあった措置及びこの条例の遵守のための体制整備に関し、任命権者に対し意見を述べること。

(5) 前各号に掲げるもののほか、任命権者に対し必要な意見を述べること。

3 審査会は、委員5人以内で組織する。

4 委員は、学識経験を有する者のうちから市長が委嘱する。

5 委員の任期は2年とし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。

6 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

7 第2項から前項までに定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(要望、提案等に対する基本原則)

第12条 市の機関は、市民の市政への参画と協働を実現するため、市政運営に対する要望、提案等の重要性を十分に理解し、誠実にその内容を受け止め、適正に対応しなければならない。

2 市の機関は、特定のものを特別に扱うことを求める要望、提案等に対しては、他のものの権利及び利益を害さないよう十分に留意し、正当な理由がなく、特定のものに対して便宜又は利益を図ることにならないよう慎重かつ適切に対応しなければならない。

(要望、提案等の記録等)

第13条 市の機関は、要望、提案等があったときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならない。ただし、当該要望、提案等が不当要求行為に該当すると認めるときには、第17条に定めるところにより処理するものとする。

(1) 口頭により要望、提案等を受けた場合 要望、提案等を行った者(以下「要望者」という。)に当該要望、提案等の内容を確認し、簡潔に記録するとともに、当該要望、提案等の内容が公開又は公表の対象となることを教示する。

(2) 書面又は電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。以下同じ。)により要望、提案等を受けた場合 要望者にその内容を確認し、当該要望、提案等の内容が公開又は公表の対象となることを教示する。

(記録の例外)

第14条 市の機関は、要望、提案等が次に掲げる場合は、前条の規定にかかわらず、当該要望、提案等を記録しないことができる。

(1) 公式又は公開の場における要望、提案等であって、議事録等に記録される場合

(2) 要望、提案等の内容が単に事実、手続等に関する問い合わせ等にすぎないことが明白であると認める場合

(3) 職員の職務について一定の作為又は不作為を求めるものでない場合

(4) 営業その他社会通念上日常的な活動である場合

(5) 要望、提案等(第2号に該当するものを除く。)を受けた場において当該要望、提案等に係る用件が終了し、改めて対応する必要がない場合

(確認機会の付与)

第15条 要望者は、第13条第1号の規定による記録の内容について、市の機関に対して確認を求めることができる。この場合において、市の機関は、速やかに要望者に対して当該記録を提示するとともに、確認の結果、必要があると認めるときは、当該記録の修正その他必要な措置を講ずるものとする。

(要望、提案等の管理及び公表)

第16条 市の機関は、要望、提案等を職員倫理規則で定めるところにより管理するとともに、要望、提案等の概要及びこれに対する対応の方針等の概要を公表するものとする。ただし、公表することにより要望者その他関係人の競争上の地位その他正当な権利を害するおそれがある場合は、公表しないことができる。

2 前項の規定による公表に当たっては、氏名、住所その他要望者が特定されるおそれのある情報は、公表しないものとする。

(不当要求行為への措置等)

第17条 市の機関は、不当要求行為があった場合は、市民に信頼される公正な職務の執行及び職員の安全の確保を図るため、複数の職員により、組織的に毅然とした態度で対応しなければならない。

2 市の機関は、不当要求行為があった場合は、不当要求行為の内容を記録するとともに、不当要求行為を行った者(以下「不当要求行為者」という。)に対し、口頭又は書面により注意し、又は警告し、不当要求に応じることができない旨を回答しなければならない。

3 前項の規定による回答を行ったにもかかわらず、不当要求行為者が不当要求行為を中止しない場合は、退去を命じ、又は警察に通報しなければならない。

4 市の機関は、前項に規定する措置を行った場合において、不当要求行為者が不当要求行為を中止しないときは、告訴、告発、仮処分命令の申立てその他当該不当要求行為を排除するために必要な法的措置を講じなければならない。

5 市の機関は、第3項に規定する措置又は前項に規定する法的措置を行った場合は、不当要求行為者の氏名、不当要求行為の内容及び不当要求行為者に行った措置の内容を公表することができる。

6 市の機関は、前項の規定による公表を行おうとするときは、養父市個人情報保護条例(平成17年養父市条例第9号)第4章に定める個人情報保護審議会の意見を聞かなければならない。

7 市の機関は、不当要求行為者が市の競争入札の参加資格業者であるときは、前2項の規定にかかわらず、別に定めるところにより指名停止その他必要な措置を講ずるものとする。

(職員への配慮)

第18条 市の機関は、職員が第17条第2項から第5項まで及び第7項に規定する措置を行ったことにより、不利益な取扱いを受けることがないよう必要な配慮を行わなければならない。

2 市の機関は、職員がその正当な職務行為に起因して、不当要求行為者その他の者から不当な権利侵害を受けることがないよう配慮し、及び職員が不当な権利侵害を受けた場合は、当該職員に対し、援助、保護その他の必要な措置を講ずるものとする。

(出資団体等の責務)

第19条 出資団体等は、第17条から前条までの規定に準じて、不当要求行為に対し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 市長は、出資団体等に対し、前項に定める必要な措置を講ずるよう指導に努めるものとする。

(委任)

第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、職員倫理規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成30年10月1日から施行する。

(準備行為)

2 市の機関は、施行日前においても、この条例の施行に必要な準備行為をすることができる。

養父市法令遵守の推進等に関する条例

平成30年3月27日 条例第14号

(平成30年10月1日施行)