まちの文化財(160) 安井の大草履

更新日:2019年12月05日

公民館での大草履つくり

公民館での大草履づくり

奉納された大草履

奉納された大草履

 

安井区では、平成30年1月3日安井公民館で「安井の大草履づくりぞめ」という養父市指定文化財の伝統行事がありました。大草履を7人がかりで作り、あわせて小草履を作る伝統行事です。

大草履は、草履の前半分だけの足半草履(あしなかぞうり)と呼ばれる形式です。長さと幅は約1.2メートルです。足半草履は丈夫で足裏に密着することから、昔は山仕事や農作業に愛用されました。小草履は長さ約20センチメートルです。いずれも片方をつくることが特色です。作業は大草履・鼻緒・小草履を作る3班に分かれて取り組みました。

草履ができると、高さ約3メートルの2本の青竹に括りつけて完成します。完成した2本の青竹を公民館から神社に運んで奉納、保管します。

1月6日には夕方5時頃からどんどの行事があります。どんどが終了した夜7時頃、神社から大草履・小草履を安井と出合の村境まで運びます。

川と山が迫った市道沿いの山側に高さ80センチメートルほどのコンクリートの基礎があり、その上に据えつけます。昨年の大草履・小草履は新しいものに取り替えられ、村の守り神として1年間役割を果たします。兵庫県下でも大変珍しい伝統行事です。

大草履の行事は、但馬では養父市安井、豊岡市日高町田ノ口で継承されています。田ノ口では大草鞋(おおわらじ)と大草履を片方ずつ作り、村の神木に奉納します。鳥取県大山町所子では、道祖神の横にある樹木に大草履と大草鞋をぶらさげています。一般的には大草鞋や大草履を賽の神に奉納する神事で、道をさえぎり悪霊の進入を防ぐ信仰です。

安井の大草履は、西日本における大草履や大草鞋の信仰を研究する上でも重要な伝統行事です。安井に向かう市道沿いに奉納されていますので、ぜひ見学してください。  

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