まちの文化財(143) 三宅の万灯

更新日:2019年11月14日

山頂の万灯と愛宕神社

山頂の万灯と愛宕神社

点火をまつ万灯山

点火を待つ万灯山

 

三宅にある大與比(おおよい)神社前の広場は8月に行う盆踊りの会場であり、万灯の実施本部となります。神社から正面に見える山が万灯山です。標高270メートルの三角形の山で、水田からの比高差は約100メートルあります。国道9号を通る車からも万灯の火がよく見えます。

平成28年8月24日夜7時30分、山頂から八の字に並ぶ24個の万灯に点火されました。万灯山の裾では、子どもたちが麦わらの束をふりまわす「振り万灯」を行いました。万灯は、固定した大きな麦わらの束に点火するものと、小さな麦わらの束をふりまわすものがあります。

万灯の設置場所は、片側が延長約130メートル、幅25メートルの範囲で、樹木や草を刈り取った敷地が作られています。そこに約10メートル間隔で4メートルほどの平坦地が13か所作られており、万灯を並べます。これが一対となって24個の万灯が八の字に並びました。

万灯は、麦わらの束を3段に重ねたもので、高さは約150センチメートルあります。一番下は高さ90センチメートルで直径90センチメートル、その上に高さ35センチメートルで直径55センチメートル、さらに高さ25センチメートルで直径25センチメートルの束を刺しています。万灯は3段重ねの麦わらの束で、ローソクの形を表しています。

万灯山の山頂に愛宕神社があります。小さな祠の中に高さ76センチメートルの石碑が祀られています。石碑には「奉祭愛宕大明神、明治十六年未三月」の文字が刻まれています。山頂に立つと大谷から朝倉まで八木川ぞいの集落がよく見えます。

万灯の行事は、明治11年、三宅の大凶作を契機に始まったと伝えられています。昭和30年代後半に麦わらが減少して一時中断しましたが、昭和61年に復活しました。

三宅の万灯山の頂上に愛宕大明神と刻んだ石碑が建立されていることから、万灯は愛宕神社の祭礼ともいえます。愛宕神社は火伏の神様で、お盆の送り火の役割もあります。但馬地域では最大の万灯の行事が、三宅の万灯です。

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