まちの文化財(138) 別宮の大カツラ

更新日:2019年11月14日

樹勢回復を実施した別宮の大カツラ

樹勢回復を実施した別宮の大カツラ

見学路を整備した別宮の大カツラ

見学路を整備した別宮の大カツラ

 

兵庫県指定天然記念物「別宮の大カツラ」の根元からは、鉢伏山山系からの豊富な湧水が湧き出ています。南側に広がる広い水田を潤し、兵庫県を代表する棚田景観となっています。

大カツラの北側から西側は、約40年前にはすべて陽当たりのよい畑でしたが、現在は畑に植林された杉が大きくなっています。杉が生長して日陰を作り、大カツラも日照不足のために、一部で幹が枯れる状態となりました。

大カツラの樹勢の衰えが著しいことから、別宮区は、兵庫県緑化推進協会が進めている「森と緑とのふれあい支援事業」を受けて、平成27年11月に、大カツラの樹勢回復事業を実施しました。

樹木医の診断による樹勢回復ポイントは2点です。第1は樹木の生育に必要な適切な日照条件を確保することです。このため、周囲の約200平方メートルを対象に杉38本を伐採しました。大カツラの着葉量を増加させるために明るい空間的環境を作り、樹木の生育環境を整えました。

第2は根を養うことです。見学のために人間が樹木の周りを踏み固めると、土が固まって根の育成をさまたげ、樹木が枯れる原因となります。根を保護するため、伐採した杉丸太を利用して山側に簡易な遊歩道を整備しました。

杉を伐採したことによって北側から堂々とした大カツラが見学できるようになりました。北側からみると、風格のある大カツラの巨樹を実感できます。また南側にある道路からは、杉木立の前に大カツラが浮き出て見えます。堂々とした風格のある大カツラの樹勢が回復することを期待しています。

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