まちの文化財(129) 今滝の不動滝

更新日:2019年11月14日

黒褐色の岩肌が美しい不動滝

黒褐色の岩肌が美しい不動滝

滝水が注ぐ滝壺

滝水が注ぐ滝壺

 

今滝寺区は、江戸時代には今滝村(いまだきむら)と呼ばれ、集落内に48滝があると書かれています。多くの滝があって今滝村と呼ばれたのでしょう。

朝倉山椒探検隊の人から不動滝を確認したという連絡を受け、現地を訪問しました。地元の人も見ることのない幻の滝です。 滝は集落から西に約200メートル、八木土城と今滝寺集落の間を流れる今滝寺川の上流にあります。登山道はなく、川沿いに岩を登ります。

滝の両岸は高さ40メートルほどの岩壁です。滝全体の落差は目測で約20メートルあります。滝は3段で、落差は上段4メートル、中段8メートル、下段3メートルで連続します。 中段が最も大きくて迫力があり、高さ8メートル、幅3メートル、奥行3メートルに渡って長方形に岩盤が窪んでいます。

岩の表面は、横方向に蛇腹状に60センチメートルから90センチメートルの幅で岩が割れています。石材は黒褐色の安山岩で、柱状節理(ちゅうじょうせつり)が横方向に続いています。1500万年前の噴火による八鹿累層という地層です。そして下段の先には、幅5メートルで奥行き4メートル、小さな滝壺があります。上段は下からではよく見えません。

江戸時代の享保11年(1726)の絵図には「善女瀧、王三重瀧、名所」の文字があります。また幕末の但馬国絵図には「不動滝、竜ケ滝」の文字があります。 八木城の背後の今滝寺川にある風格のある秀麗な滝であることから、八木城の殿様も見物したと想像しています。

滝の周囲には自然林があります。広葉樹がもつ春の新緑と秋の紅葉など、四季彩と共に滝が存在することが重要です。八木土城跡の背後にある今滝寺川から、立派な滝が再発見されました。名所の復活を期待しています。

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