まちの文化財(102) 今滝寺の金剛力士立像

更新日:2019年11月15日

口を閉じた吽形の像

口を閉じた吽形の像

口を開けた阿形の像

口を開けた阿形の像

 

今滝寺は、八木城主八木氏の菩提寺として栄えました。延久元年(1069)、覚増上人(かくぞうしょうにん)によって開かれ、蓮華院・教王院・安養院など9院と円乗坊・等意坊など3坊の塔頭をもつ大きな寺院でした。しかし八木城の廃城とともに衰えました。

今滝寺の山門には、2体の金剛力士立像が安置されています。鎌倉時代に作られたもので、昭和58年3月に兵庫県指定文化財となりました。金剛力士立像は仁王像とも呼ばれ、寺院を守護する役割があります。 2体は、ヒノキ材を用いた寄木造で、口を開けた阿形(あぎょう)は高さ235センチメートル、左手を挙げて独鈷を握り、右手は下方にのびて、5指を伸ばしています。口を閉じた吽形(うんぎょう)は高さ247センチメートル、右手に独鈷を握り、左手は拳を握っています。

2体の像は、腰を少しまげ、足を開いて立っています。上半身は裸でろっ骨が発達し、太い腕は筋肉質です。頭は大きくて胴体は長く、作風は素朴であり、地方作とみられます。 木像の体内にある墨で書かれた文字によって、正嘉2年(1258)3月、常光寺の仁王像として作られことが判明しています。仏師は、阿形が澄玄(ちょうげん)、吽形が淡路公(あわじこう)となっています。

八木氏第8代当主の八木直重の法名は、常光寺殿宗栄です。また第12代八木宗頼の子の聖芳が常光寺の住職となっています。このため常光寺は、八木氏の菩提寺と考えて間違いないでしょう。三宅の耳堂にあった寺院と推定されています。永和4年(1378)、金剛力士立像は、三宅にあった常光寺から今滝寺に移されたと伝えられています。

昭和57年、今滝寺の山門は解体修理を実施し、少し下から現在の場所に移転しました。鎌倉時代に作られた但馬地方で古い金剛力士立像です。今滝寺や八木城の歴史を静かに伝えています。

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