まちの文化財(67) 斎神社本殿の修理見学会

更新日:2019年11月15日

見学会の様子

見学会の様子

天照大神の天の岩屋戸

             天照大神の天の岩屋戸

向拝の龍の彫刻

                                    向拝の龍の彫刻

 

平成22年4月18日、斎神社復興委員会の主催によって、本殿の解体修理部材見学会が、旧建屋小学校体育館で開催されました。約120人の人が見学に訪れました。当日はお走り祭りであったことから、お走りまつりの斎神社の神輿行列の一行も見学しました。

本殿のある境内は、平成21年8月10日の台風9号の土石流によって全壊しました。現在、本殿復興にむけて解体修理工事を実施中です。工事は日本伝統建築技術保存会所属の文化財解体修理の専門会社が実施しています。

本殿は、全体が元の位置から9メートルも押し流されていました。境内は1メートルから2メートルの砂で埋まっていました。本殿を掘り出し、部材を1本ずつ丁寧に解体し、倒壊したすべての部材を救出しました。

しかし再建するためには設計図が必要です。倒壊した本殿には建築図面がありません。このために解体しながら部材の寸法を計測し、平面図や断面図などの倒壊前の建築図面を作成して構造を解明しました。

本殿は昭和12年の建築です。正面240センチメートル、側面220センチメートル、高さ810センチメートルの規模をもつ一間社流造だと判明しました。解体した部材は、約3000点になります。特徴は、建物を豪華に飾るために屋根が最大限に大形化していることです。材料はケヤキが中心で、一部にイチョウやヒノキが使われていました。

また豪華に作られた彫刻は、姫路市飾磨区の三代目松本義廣の作品であることが分かりました。祭礼で使う屋台彫刻の専門家で、名工と言われた人物です。素戔嗚尊(すさのおのみこと)の八岐大蛇退治(やまたのおろちたいじ)や天照大神(あまてらすおおみかみ)による天の岩屋戸(あめのいわやど)の場面、龍や麒麟など多数の彫刻がありました。

斎神社本殿は、土砂の中から救出されました。破損した部材を修理し、すべて元通りに組み上げて保存修復する計画です。総工費は約1億円といいます。台風災害からの復興、これからが本番になります。

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