まちの文化財(11) 鉢伏高原のミツガシワ

更新日:2019年11月18日

鉢伏高原のミツガシワ

              鉢伏高原のミツガシワ

ミツガシワの生育する湿地

            ミツガシワの生育する湿原

 

ミツガシワは、標高790メートルの清水がそそぐ鉢伏高原の沼地に生育しています。兵庫県下でただ一つの自生地として、昭和57年に兵庫県指定文化財となっています。

湿地は東西90メートル、南北70メートルの規模で、水ゴケなどの植物が泥炭とっなって、スポンジのような土層を作っています。オタカラコウも生育しています。

ミツガシワはリンドウ科に属する多年草で、関東地方から北側の寒い山地に多い植物です。三枚の葉がカシワの葉に似ていることからミツガシワと言います。高さ20センチメートルほどの小さな植物です。白い花が5月に咲いています。

鉢伏高原では雪が沢山降って気温が低く、冷たい地下水が長く保存されます。こうした良い気象条件が重なって氷河期の植物が生き残ってきました。

しかし水不足による大きな環境の変化で、ミツガシワの生育が弱っています。水深が浅くなり、カサスゲやミゾソバが繁殖しました。水温も高くなって平成10年には10平方メートルまで生育範囲が減少し、絶滅寸前になりました。

そこで南但馬の自然を考える会や関宮町教育委員会が緊急処置として、カサスゲを抜き取って、水深を保つようにしました。その結果、生育範囲が広がってきました。しかしこのままでは、いつか絶滅すると心配されています。

ほかにも養父市には氷河期の植物が自生しています。大屋町加保坂のミズバショウ、氷ノ山の古生沼にあるエゾリンドウなどです。

大山や大峰山など関西には著名な山がありますが、氷河期の植物を守り育てているのは氷ノ山山系だけです。

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