まちの文化財(174) であいの里ひなまつり

更新日:2019年11月20日

葛畑土人形のお内裏様

葛畑土人形のお内裏様

葛畑土人形の展示

葛畑土人形の展示

段飾りのひな人形

段飾りのひな人形

段飾りの展示

段飾りの展示

 

「第8回であいの里ひなまつり」が出合校区協議会の主催で平成31年3月3日から4月3日まで開催され、1000点をこえるひな人形が展示されました。地域の伝統文化である葛畑土人形を保存伝承し、家庭で眠っている御殿飾り・段飾り・つるし雛などを一堂に集めて、ひなまつりの伝統行事を受け継いでいます。

葛畑土人形は、一室に約300体が飾られました。明治時代から昭和50年代まで使われた養父市の伝統工芸品です。一方で体育館には、7段飾りのひな人形などが一面に飾られました。段飾りのひな人形は専門業者が制作したもので、昭和40年代から市内に普及しました。

葛畑土人形は、明治時代末から大正時代に前田太蔵氏が多くのひな人形を製作して地域の伝統として定着しました。市内だけでなく香美町小代付近まで広まり、女子の誕生や嫁入り時のお祝い品となりました。それを前田俊夫氏が受け継いで作品は104種類となり、兵庫県の伝統工芸品にもなりました。

会場では80代の見学者から「初節供の時に親元から葛畑土人形の内裏ひなが贈られました。親戚や近所からは高砂の老夫婦や天神様、武者などの土人形が贈られました。子供が6人もいると、多くの種類の土人形が飾られました。昔のひな祭りは4月3日でした。三島商店や松下商店で売られていました。どこの家にもありました。懐かしいです」と解説をうけました。

内裏ひなの男性は、畳の上に座って笏を手にもって腰には太刀をつけて座っています。女性は着物姿で手で扇を持って正座しています。規模は中型が約31センチ(10寸)、大形が約42センチ(14寸)あります。高砂の老夫婦は、約28センチから約34センチが多いようです。よろいとかぶとを身に着けた豊臣秀吉は中型が約30センチ、大形が41センチありました。

人形はお内裏さまのほかに藤娘、花笠踊り、神功皇后(じんぐうこうごう)武内宿禰(たけのうちのすくね)、豊臣秀吉、金太郎、恵比須、大黒、軍人などがあります。健康、繁栄、出世、富貴などの願いが込められています。主催者は「展示に約1週間かかる大変な作業です。見学者からひな人形の寄贈があって増えました」と話しています。

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