まちの文化財(170) 葛畑の舞台修理

更新日:2019年12月05日

完成した葛畑の歌舞伎舞台

完成した葛畑の歌舞伎舞台

屋根の葺き替え作業

屋根の葺き替え作業

 

葛畑の農村歌舞伎舞台の屋根修理が完成しました。この舞台は明治25年に葛畑の荒御霊神社の境内に、村人が組織した葛畑座の芝居堂として建てられたものです。葛畑座は農閑期に但馬各地に公演に出かけました。

昭和43年、農村歌舞伎舞台としては兵庫県で初めて、国指定重要文化財になりました。舞台には独楽廻式の回り舞台があり、二重台のセリ引き、天井のぶどう棚などを備えた本格的な構造です。当時兵庫県内に約330棟あった歌舞伎舞台の代表として国指定をうけました。

屋根は茅葺きの入母屋造りで、屋根の大きさは正面10.9メートル、側面10.4メートルの正方形に近い規模です。平成14年に屋根を全面修理しましたが、積雪地域では耐用年数が短く風雪によって屋根が破損してきました。

このため平成30年5月に茅葺き屋根の修理を開始しました。修理では屋根の正面と後面の茅をすべて取り外し、垂木や横材などの木材を縄で結びなおして新しく茅を葺きました。南側の妻面は平成26年に差し茅修理をしたことから現状維持とし、北側の妻面は差し茅で修理しました。使用した茅は熊本県阿蘇産のススキで、縄で60センチメートルに縛った束を約1400本使用しました。養父市では一般的に山に生えるススキを茅葺きの材料としています。

平成30年10月7日の秋祭りにあわせて、葛畑区と養父市が「修理事業の完成を祝う会」を開催しました。せきのみや子ども歌舞伎クラブが葛畑三番叟を上演して完成を祝いました。

神社や田畑に囲まれた山里の風景の中に、美しくなった茅葺き屋根の舞台がたたずんでいます。葛畑の舞台と共に美しい但馬の農村景観が受け継がれています。

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