まちの文化財(148) グンゼ八鹿工場

更新日:2019年11月15日

グンゼ八鹿工場

グンゼ八鹿工場

細長い窓の事務所棟

細長い窓の事務所棟

大正時代のグンゼ八鹿工場

大正時代のグンゼ八鹿工場

八鹿工場の上げ返し工程

八鹿工場の上げ返し工程

 

平成28年3月、グンゼ八鹿工場事務所棟は、兵庫県の景観条例による兵庫県景観形成重要建造物の指定をうけました。

この建物は、景観形成地区に指定されている「養父市八鹿町八鹿地区」に建つ事務所建築であり、伝統的なまちなみの中に洋風意匠の外観が景観に調和し、但馬における製糸業の近代化を象徴する建造物として、兵庫県によって高く評価されています。

事務所棟は2階建で、屋根は寄棟造、窓は細長い長方形で、外壁はモルタル仕上げのクリーム色です。玄関は建物の隅角部にあり、入口に2枚の板戸をおく昭和初期のハイカラな建築です。1階にはカウンターのある事務室があり、2階には床板を張った講堂があります。

世界遺産の群馬県富岡製糸場は、日本初の官営の器械製糸場として、明治5年フランス人技術者が建設しました。養父市における富岡方式の器械製糸場は、明治13年大屋の古屋製糸場、明治17年八鹿製糸場が建設されています。このため養父市は、関西地方における近代的製糸工場の発祥地の一つと言われています。

グンゼ八鹿工場の創業は八鹿製糸場から始まります。八鹿製糸場は山根文平氏が桑畑を提供し、中川長平氏が乾繭場、池上弥平氏がボイラーを設置して創業しました。明治21年には兵庫県の製糸伝習所に指定されます。ここで学んだ安木貞三郎氏が社長となり、明治26年頃に器械製糸場である関宮製糸場を開業しました。また、明治26年には養父市場に平山節郎氏が養父製糸場を創業します。事業を拡大して合資会社養盛館となり、グンゼ養父工場へ続きます。

郡是製糸株式会社は明治29年に綾部市で創業しました。そして、但馬各地の製糸場を合併して、日本のグンゼへと発展しました。大正3年グンゼ八鹿工場、大正7年グンゼ養父工場が誕生しました。但馬の製糸工場は関西地方でも大変早い時期に開業しています。グンゼ八鹿工場事務所棟は、但馬地域を代表する絹産業遺産です。

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