糸原の臨向寺
臨向寺の本堂
晦翁宗昭の頂相
養叟宗頣の頂相
門野バイパスの北側にある大屋町糸原区に臨済宗大徳寺派の省蘆山臨向寺(しょうろさんりんこうじ)があります。室町時代の文明年間(1469~1486年)に、晦翁宗昭(まいおうそうしょう)大禅師がこの地を訪れ、臨向寺を開山しました。
晦翁宗昭は、京都の大徳寺第48世を務めた後、養父市森にある祐徳寺の住職を務め、晩年に退隠して糸原にある臨向寺の開基となりました。大徳寺第47世は有名な一休宗純(いっきゅうそうじゅん)和尚です。
人物を描いた肖像画の中でも禅宗の僧侶の肖像画を特に頂相(ちんそう)と呼びます。この頂相は、師の僧侶が弟子に印可の証として自ら賛という文字を書いて与える場合があります。他にも師の亡き後、弟子が制作して追善の法要に用いられることもあります。
臨向寺には、室町時代に描かれた貴重な晦翁宗昭の頂相が伝わっています。顔貌の描写は堅実で精細に富んでいます。頂相には「明応三年(1494)甲寅菊月(9月)廿四日 前大徳晦翁宗昭書」の文字があります。養父市における絵画資料としては最古のものです。
他にも大徳寺第26世を務められた養叟宗頣(ようそうそうい)和尚の頂相が伝わっています。長禄元年(1457)、晦翁宗昭の師である養叟宗頣が宗昭に与えたものです。宗頣の頂相は大徳寺にも伝わりますが臨向寺のものは最晩年の御姿です。しかし、彩色等の状態から制作年代は少し時代がくだると見られています。
大徳寺の高僧が但馬を訪れた理由は分かりません。但馬守護の山名宗全(1404-1473)に招かれた可能性を推理しています。京都の大徳寺と臨向寺の歴史を伝える2点の肖像画は全国的にも貴重なものであり、養父市指定文化財になっています。
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